エースが復活の1勝だ。オリックス金子千尋投手(31)が中日2回戦で今季3度目の登板。7回無失点に封じ、待望の初勝利を挙げた。9安打を浴びながらも要所を締めた。昨年11月の右肘手術の影響で出遅れた昨季の沢村賞右腕。福良淳一監督代行(54)に初の連勝をプレゼントした。

 金子は粘りに粘った。ピンチになればなるほど、球が低めに集まった。4回は1死から3連打で満塁とされたが、藤井をフォークで二ゴロ併殺打。5回も2死一、三塁でルナをフォークで空振り三振に仕留めた。被安打9は今季ワースト。それでも3度の併殺でしのいで、今季最長イニングを無失点に抑えた。

 「走者を意識しても仕方ない。しっかり打者と勝負しようと思っていた。まず低めに投げることを優先に考えた。走者を出さないのが一番だけど、出した後も抑えられた。ある程度は納得です」

 中日打線が早いカウントから振ってきた。「それをうまく利用できた。球数を少なく抑えられた」と、7回を終えて91球で後続にバトンを託した。8回以降も「いけたかなと思う」と余力を残していた。

 昨年11月に受けた右肘の遊離軟骨除去手術の影響で、指名されていた開幕投手には間に合わなかった。その後も調整が長引き、今季1勝を挙げる前に、森脇監督が休養した。金子は責任を痛感していた。「しっかり開幕から投げて、こうならなければよかった。今までも一生懸命やってきたつもりだけど、気持ちを入れ直してやらないとズルズルいってしまう。まだ先がある。最後までやり通すのがプロ」と、奮い立たせてマウンドに上がった。

 昨季は16勝5敗、防御率1・98で最多勝と最優秀防御率の2冠を獲得した。最優秀選手と沢村賞にも選ばれた大黒柱の復活で、ここから一気に波に乗りたいところだ。福良監督代行は「本調子じゃなかったが、よく我慢した。チームにとっても大きい。いい勝ち方ができた」と、勢いのつく1勝だと感じていた。金子は「諦めるわけにはいかない。まだ可能性もゼロではない。これから取り返せるようにしたい」と力強く言った。