ひっくり返すのはちゃぶ台じゃない! ソフトバンクが9回、ロッテから一挙5点を奪い、今季24度目の逆転劇で3連勝を飾った。日曜日の連勝も11に伸ばし、貯金は最多22に。決勝二塁打の本多雄一内野手(30)は右足首捻挫で長期離脱後、復帰5戦目で初の適時打が千金打になった。長年レギュラーで二塁を守り続けている男が、チームを勢いづけた。

 本多の打球は逆風に負けなかった。前進守備だったロッテ岡田の頭上を越えていった。

 「伸びましたね。びっくり。ここで打たないと同点が続く感じだった。自分で決めるという気持ちだった。松田さんの通算1000試合を勝ててよかった」

 二塁ベース上で力強く両手を挙げ笑顔でガッツポーズを何度もつくった。

 内野の間を抜く意識でロッテ香月良のチェンジアップを捉え、外野を越えた。7日楽天戦からスタメンに復帰し4戦目。そのうち3試合で安打を放つなど、今季打率はまだ1割8分5厘だが、打撃の状態は上がってきている。

 4月12日の日本ハム戦(熊本)で一塁ベースを踏んだ時に右足首を捻挫。衝撃の強さで骨と骨がぶつかる重傷で、5月末に復帰するつもりだったが、7月まで長引いた。その間、チームは快調に勝利を重ねていった。本多の代わりに二塁に入った明石、川島、高田がそれぞれ持ち味を発揮。本多が戻っても、3人とも残っているのは、本多がまだ不動の正二塁手に戻るまでいっていないことの証しだった。

 心が折れそうでも、リハビリ組では、あえてファンが見守る屋外で笑顔でキャッチボールするなど、自分を奮い立たせた。夜は1軍の試合を観戦し「このままじゃ終わらない」と、常にチームにいるつもりで準備も続けていた。

 連夜の逆転劇を呼んだ貴重な一打に工藤監督も「すごいね。集中力というか、前向きにやっている気持ちがあるからボールが前に飛ぶし、いい結果を生む」とメンタルの強さをほめた。

 打線に長谷川を欠き、摂津、大隣の左右エース格がファームで調整中。それでも、今季最多の貯金22とパ・リーグ首位を快走している。24度の逆転勝利もリーグ最多。危機感を持って復帰した本多の存在が、さらにチームの勢いを加速させている。【石橋隆雄】

 ▼ソフトバンクの逆転勝利24度はパ・リーグ最多で、ヤクルトと並び両リーグ最多。7月の全5勝中、4勝が逆転勝ち。勢いのつく勝利を重ね、首位を固めている。