オリックス谷佳知外野手(42)が待望の今季初安打を放った。1軍再昇格即スタメン出場で、3回に遊撃内野安打。昨年4月3日楽天戦以来473日ぶりの安打で2000安打まであと76本とした。先制となる決勝のホームも踏んだ大ベテランが、チームの後半戦白星スタートに貢献した。
谷の重く、尊い1本だった。これまで1923安打も放ってきたヒットメーカーが、首をかしげて記憶をたどった。「いつ以来? 473日ぶり? そんなに離れてたんですか…。気持ちも入っていたし、何とか1本と思っていた。得点に絡めたのも良かった」。西武岸と3年ぶりの対戦。カウント2-1から空振りして再び投げてきたカーブを、今度はうまくとらえて三遊間へ強いゴロで運んだ。
「どういう球が来るか分からない。久々の打席だしタイミングを合わせていった。必死ですよ」。一塁へ力の限り走った。そして縞田の適時打で先制の得点。4回に9号ソロの安達は「谷さんの全力疾走でみんなやるぞという気持ちになった。あれで変わった」。プロ19年目のベテランが自然と一体感を生み出した。
昨年は右肩痛で9試合出場にとどまった。今季も出遅れ、6月11日に初昇格したが4日後に降格。「スイング自体ができていない」と自ら再調整を申し出た。福良監督代行は「良くなったら電話して来い」と言ってくれていた。そして打撃に費やした1カ月。前半戦最後のロッテ3連戦の最中に、電話をかけた。満を持しての再昇格。2000安打にまた少し近づいた。
ベンチ裏でも仕事を黙々とこなす。それは後輩のよき見本だ。前回の昇格時には、悩める糸井に「キャプテンは大変だけど頑張れよ」と声をかけた。谷だからこそできる気配りだった。今季、谷の1軍在籍時はこれで5戦全勝。いればチームに1本の筋が通る。「プロの世界はなかなかヒットを打たせてもらえないと感じた。ずっと2軍にいたしね」。42歳はいまだ悔しさを成長に変えながら、前へ進んでいる。【大池和幸】



