天敵に意地の1発だ。広島会沢翼捕手(27)が8点ビハインドの8回無死一塁から、左翼席へ6号2ランを放った。チームは阪神能見の前に8回4安打2得点。今季5度目の対戦も攻略できず4敗目を喫した。チームの連勝も2で止まり、借金も5に戻った。5日に続き、「原爆の日」の今日6日もピースナイターとして開催。監督をはじめ首脳陣、全選手が同じ背番号「86」の限定ユニホームを着用する一戦から再進撃だ。
思い切り振り抜いた反動でバットを放り投げると、表情をひとつも変えずダイヤモンドを1周した。会沢が自身への怒りをぶつけるように、能見の初球チェンジアップをたたいた。7回まで2安打無得点に抑えられていた能見に一矢報いる意地の2ラン。試合後ベンチ裏から出てくるのは誰よりも遅く、その表情は険しいままだった。
「情けない打席が続いていたので何とかしたかった。チームが負けたので、何とも言いようがない」。
捕手として大量8失点の責任を感じていた。しかし、この日は打線も反発力に欠いた。天敵能見に手も足も出ない。1回丸の二塁打から6回まで無安打。真っすぐとチェンジアップ、フォーク2種類の縦の変化球を低めに集める投球術にはまった。
会沢も連続三振を喫していた。3回はフォーク、6回はチェンジアップにバットが空を切った。苦い思い出が頭をよぎる。昨年のクライマックス・シリーズのファーストステージ阪神戦(甲子園)。0-0の7回。2死満塁で会沢は能見の内角真っすぐに手が出ず見逃し三振を喫した。「この世界、やられっぱなしでは悔しいですから」。大舞台での悔しい記憶が今季、正捕手奪取への原動力となっている。
能見と今季5度目の対戦も4敗目となった。連勝が止まり、借金も5に戻った。緒方監督は「同じようにやられてしまった。8月、9月と阪神との対戦は多くあるので、あと2、3度当たる可能性も十分ある。やり返すしかないでしょう」とこのままでは終わらないつもり。やり返すチャンスはまだある。【前原淳】



