失敗を成功への力に変えた。楽天松井裕樹投手(19)が1点リードの9回からマウンドに上がり、1回無安打無失点に抑えて24セーブ目を挙げた。8日の日本ハム戦で1点差を守りきれず、プロで初めてセーブに失敗。失敗後初登板で雪辱を果たした。自らに満点を与えず、常に成長することを心がける12球団最年少守護神がチームの連敗を5で止めた。

 本拠地の大歓声を受けて松井裕が向かった9回のマウンドは、いつもと意味合いが違っていた。「取り返す気持ちが十分にあった。同じ1点差の場面。いつもより緊張していました」。前回8日の日本ハム戦で1点を守れずに、初めてセーブに失敗。チームは延長戦の末に敗れた。同じ過ちを繰り返すわけにはいかないと自然と力が入った。

 マウンドに立ち、修正点を確認した。「チェンジアップは低め、低めの意識」。前回痛打されたボールを思い浮かべ、小さく息を吐いた。先頭のデスパイネは外角低め136キロのチェンジアップで三ゴロに打ち取ったが、失策で出塁。しかし動揺しなかった。続くクルーズ(空振り三振)、井口(三ゴロ)をチェンジアップで仕留め2アウト。最後は鈴木を145キロの直球で遊飛に抑えると、笑顔がはじけた。「切り替えていけました」と雪辱の登板を終え、胸をなで下ろした。

 信条がある。自らに満点を与えない。球団新記録の23セーブを達成した時には「流れで言っちゃいましたね」とお立ち台で100点と言った。しかし「本当は80点くらい」と笑う。理由は明快だ。「100点はない。それより上はないので。もっともっと上の結果を出せると信じて、頑張りたい」と言い切る。現状に満足したら、成長が止まると危機感を持っている。

 だからこそ、前回の失敗を成功の材料にすることができた。「失敗を無駄にせず、価値ある失敗だったと言えればいい」。やられたら、やり返す。12球団最年少守護神は日々、強くなっている。【島根純】