大敗にも光明はあった。阪神マット・マートン外野手(33)が、お久しぶりの1発を放った。2回に先制の7号ソロ。12試合ぶりのアーチで、打点を挙げたのも9試合ぶり。今日20日の巨人先発は菅野。難敵攻略へ、キーマンのバットに期待だ。
左翼亀井の足はピタリと止まっていた。視線だけが後方のスタンドに向く。マートンの打球は、そのはるか頭上を進み、黄色に染まるスタンド上段に飛び込んだ。2回1死走者なし。空気が一変した瞬間だった。
「インコース寄りのボールをうまく打つことができたね。(これまでは)ゴロアウトが多かったけれど、打球が上がってきたのは良かったと思う」
昨年5月10日以来の対戦となった内海の4球目。135キロ直球が高めに浮いた。その1球を逃さない。前を打つ4人は2三振を含む無安打と沈黙。前日8日の1安打負けを引きずっていたところだった。8月5日広島戦以来、12試合ぶりの先制7号ソロで東京ドームの左半分が立ち上がった。マートンが弱った猛虎打線をたたき起こした。
「一番大事なことはゲームに勝てなかったということ。それが残念だよ」
最終的には巨人の猛攻を食らって完敗。それでも最後まで諦めなかった。大量9点ビハインドの8回には、左翼頭上へライナーをかっ飛ばした。勢い余って二塁でタッチアウト(記録は左安)になったものの、3打数2安打1四球。打率は2割9分3厘に上昇した。何より能見の登板試合でよく打つ。今季はこれで71打数25安打、打率3割5分2厘。7本塁打中4本塁打が能見登板時というフィーバーぶりだ。近年の阪神を背負ってきた主軸と左腕。抜群のコンビネーションは、今後の優勝争いにおいて武器となるはずだ。
「大事なのは明日(20日)のゲーム。明日勝てるように全力を尽くすよ」
敵陣は第3ラウンドにエース菅野を送り込んでくる。前半戦の打撃不振もあり、今季の対戦成績は10打数1安打。しかし、昨季は打率5割(6打数3安打)、一昨年は同4割5分5厘(11打数5安打)と好相性を誇ってきた相手だ。上り調子で臨む大一番。逆境を跳ね返す。【松本航】



