四球を選ぶこと820回。阪神鳥谷敬内野手(34)は新たな伝説を打ち立てても、いつもと同じポーカーフェースで一塁まで歩いた。初回先頭の第1打席。フルカウントから砂田の投じた7球目。内角139キロの直球を平然と見送る。その瞬間、猛虎の名だたる強打者の頂点に立った。
「うれしいです。うれしいです(笑い)」
球団歴代1位の掛布雅之の819四球を更新した。花束を渡されるわけでもない。盛大に祝われるわけでもないがこつこつと積み重ねた大記録には違いない。試合後には、試合中とうって変わった笑顔を見せた。
2回2死二塁には砂田の4球目スライダーを中前打。この適時打で通算708打点。桧山進次郎に並んでいた球団歴代打点も単独8位となった。偉大な記録を偉大な記録で祝う。1577試合連続出場中、543試合連続フルイニング出場中の鳥谷にしか出来ない離れ業だ。
試合前、京セラドーム大阪のスクリーンには「野球・ソフトボールの東京オリンピック正式種目に」プロジェクトのプロモーションビデオ(PV)が流される。このPVに出演している鳥谷はこの日の試合前、ストレッチをしながら画面を見つめていた。自身の出演シーンが映ると、狩野や福留から演技について? 総ツッコミ。クールなキャプテンも思わず照れ笑いを浮かべていた。
鳥谷の活躍もありチームは東京ドームの悪夢を拭い去った。「まだ30試合以上ありますし、1試合1試合をね」。歴史を塗り替え続けるキャプテンがチームを先導し続ける。【梶本長之】
▼阪神鳥谷が1四球で通算820四球とし、球団単独1位となった。前日に掛布と並び819四球でトップに並んでいた。
▼鳥谷は打点1を挙げ通算708打点とし、球団単独8位に。707打点で並んでいた桧山を抜いた。
▼鳥谷は通算安打数1726で球団4位(同3位は和田の1739)。通算本塁打は125で球団15位(126本でカークランドと八木が同13位タイ)。



