巨人のドラフト1位岡本和真内野手(19)が、DeNA21回戦(横浜)の5回2死三塁、代打でプロ1号2ランを放った。プロ3試合3打席目の初安打が初本塁打。巨人の高卒ルーキーでプロ初安打が本塁打は、66年9月27日大洋戦での林千代作以来で、巨人の高卒ルーキーでの本塁打に限れば、93年の松井秀喜以来だ。チームが惜敗した中、若き大砲候補が存在感を存分に示した。
感触をはるかに超えた。岡本が二塁を蹴って、ようやくスピードを緩めた。5回2死三塁、代打で登場。DeNA砂田の初球、膝元への127キロスライダーに反応した。低い弾道で左翼へ飛んだ。鋭い打球に誰もが柵越えを確信する中、岡本は「入るとは思わなかった。二塁打だと思った。走ることを優先したので打球は見ていませんでした」と全速力で走り始めた。
お祭り騒ぎの歓声に、ようやくスタンドインを知った。原監督とも初グータッチを交わし、阿部らに手荒い祝福を受け、目をまん丸と見開いた。「テレビで見ていた有名選手と野球をやっていて、みんなに祝福してもらって信じられないです。忘れられない感触になると思います」。プロ初安打を、岡本の代名詞で花を添えた。
照れ屋で人前では、胸の内を見せることは少ない。春季キャンプ前の1月。若手選手を中心に、アンケートが配られた。数多くの質問に当たり障りのないように書き込んだ。「将来どんな選手になりたいか」という欄だけは、違った。ボールペンを強く握り、太くて濃い字で「ミゲルカブレラ」と書き込んだ。アンケートの裏までペンの跡は付いていた。メジャーで12年に3冠王に輝き、NO・1野手といわれる選手を挙げた。「僕は長打を期待される選手。巨人を代表する選手になりたい」と、片仮名7文字に思いを込めた。でっかい目標を持っている。
岡本の2ランで一時は1点差とするもチームは敗戦。首位阪神とのゲーム差は2・5に広がった。ベールを脱いだ記念の夜に、岡本は「この1本で調子に乗ったり、てんぐになったらいけない。技術もまだまだなので、すごい選手の中で練習をして勉強になっている。全てを吸収していきたい」。自らの歴史を刻んだ。1本では変わらない。目標はその先にある。【細江純平】
▼岡本が代打でプロ初アーチを放った。巨人の高卒新人で本塁打を打ったのは93年松井以来で2リーグ制後6人目になる。高卒新人の代打本塁打は14年森(西武)が3本打っているが、巨人の高卒新人では66年9月27日林が大洋戦で記録して以来、49年ぶり2人目。岡本は現在19歳2カ月で、林の19歳4カ月を抜いて巨人の最年少代打本塁打となった。岡本の1発はプロ3打席目で、これがプロ初安打。2リーグ制後、巨人の高卒新人で初安打が本塁打は59年王(27打席目)66年林(2打席目)に次いで3人目。王はプロ野球記録の通算868本塁打、林は通算1本塁打に終わったが、岡本はこれから何本打てるか。
◆林千代作(はやし・ちよさく)1947年(昭22)5月4日生まれ。神奈川県出身。鎌倉学園から65年の第1回ドラフトで1位堀内に次ぐ2位指名で巨人入団。外野手。69年に引退するまで4年間の通算成績は、23試合、22打数6安打3打点、本塁打は1本のみ。現役時代は179センチ、86キロ。左投げ左打ち。引退後はクラブチーム「横浜ベイブルース」監督を務めた。



