日本ハム大谷翔平投手(21)が、まさかのKO降板を喫した。10日の「2015 SMBC日興証券 クライマックスシリーズ パ」(CS)ファーストステージ第1戦に先発し、ロッテ打線に3回途中5失点。1点リードの2回、1死満塁から今江に走者一掃の逆転二塁打、3回にも3連続二塁打を浴びた。最速160キロをマークも、今季最短の降板。チームは敗れ、崖っぷちに立たされた。
決戦のマウンドに背を向けた。奪ったアウトはたった8つ。CSの開幕を託された大谷が、3回を投げきれずに舞台を降りた。「単純に自分の実力がなかったということ。修正できなかったのが一番よくなかったです。申し訳ないです」。調整登板だった昨年10月5日の楽天戦をのぞけば、プロ入り最短KO。大差がついた展開を、ベンチの端から、ただぼう然とみつめるしかなかった。
この日最速の160キロが、乱調への分岐点になった。1回を3者凡退で立ち上がると、2回先頭のデスパイネを160キロ速球で三振に仕留めた。打者4人目までは完璧な内容。だが本人は「真っすぐがよくなかった」と感じていた。続く福浦、クルーズの連打と四球で1死満塁。今江に走者一掃の逆転適時二塁打を浴びた。「これでいけるというイメージがなかった。自分自身のボールに、疑いを持って投げ込むことが多かった」。不安を抱えたまま、打者と向かい合っていた。
3回も2死走者なしから3連続二塁打を浴びて2失点。すべて直球を痛打された。「2回を整理しきれずに、ひきずってしまった」。立ち直るきっかけは、最後までつかめなかった。
初めて開幕投手を務めた今季は、15勝(5敗)を挙げ最多勝のタイトルを獲得。防御率2・24、勝率7割5分と合わせ「投手3冠」に輝いた。しかし、首位ソフトバンクとの対戦は4試合に投げて1勝2敗、防御率6・58。8月4日、9月10日、優勝を争ううえで落とすことのできない大事な試合で、ともに7失点と炎上した。「シーズン中いくら貯金をつくっても、ここでいい投球ができなかったら意味がない」。成績は文句なしで投手陣の柱だが、エースに求められる絶対的な存在感は、この日も示すことができなかった。
2勝で決まる超短期決戦だけに、黒星スタートで一気に崖っぷちに立たされた。栗山監督は「いろんなものを背負って投げていた。こういうことも起こる。1つは負けられるわけだから、これをどう生かすかだけ」と、前を向いた。大谷も野手としてベンチ入りし、リベンジの機会を待つ。「切り替えてやるしかないです」。3年目を終えるには、まだ早すぎる。【本間翼】



