1年目から「勝つ!」宣言! 阪神の第33代監督就任を決めたOBの金本知憲氏(47)が18日、早くも「所信表明」した。10年間、優勝から遠ざかり、チームの抜本的な改革を託されて就任を決意。周囲は長期でのタイガース再建を望むが、新監督は勝利を最優先する姿勢を強調した。今日19日に大阪市内で就任会見に臨む。熱血漢の第一声から虎の未来が動きだす。

 「勝利」か「育成」か。チーム強化の永遠のジレンマだが、新監督に就く金本氏は早くも鮮明なスタンスを打ち出した。故郷広島を後にして、夕やみ迫る新神戸駅に到着。球団首脳がそろって口にするように、周囲が期待するのはタイガースの再建だ。長期間を要するとみる向きもある。だが、大役を託された鉄人は何よりも勝つことに執念を燃やす。

 「再建しながら勝つのは難しいと思いますが、やるからには勝ちながら再建するのが理想。勝つことを最優先するなかで、改革していければいいと思います」

 今日19日に大阪市内で会見し、就任を発表する。金びょうぶの前で示す決意表明の前説とばかりに、意気込みを語った。過渡期のチームにあって、球団からは長期政権を視野に入れた、腰を据えた抜本的な改革を託された。しかし、監督を引き受けた金本氏の最優先順位は目の前の勝利だった。1年目から、勝ちながらのチーム再建という、決して平らではない道を突き進む。

 1日に南球団社長から次期監督を要請されてから17日間、3度の交渉で球団側の熱意あるラブコールを受け止めた。自身がMVPに輝き、大活躍した05年の優勝以降、チームは栄冠から遠ざかる。近年はシーズン佳境で失速し、チーム力の限界を感じさせる展開が続く。主力は高齢化し、外国人に依存せざるをえない戦力編成に偏る。期待される若手が伸び悩み、一向に育たない。たたき上げでスーパースターに君臨した男の「視点」こそ、猛虎再生のヒントになるだろう。

 今日19日は南球団社長や高野球団本部長らが金本氏と話し合いの場を設け、今後の方向性を決めていく。コーチ陣の編成を急ピッチで進めるなか、明日20日に始まる秋季練習や22日のドラフト会議の参加について日程を調整。また、ドラフトについて、球団側の指名方針と金本氏の意向をすり合わせる作業なども行われそうだ。来季の戦力構想についても検討に入る。

 監督就任会見は指揮官の「顔」が如実に表れる。01年12月には54歳だった星野新監督が「私は『鬼』になる。火の玉のごとく戦う男、そういう選手を育てたい」と意気込んだ。03年10月には45歳の岡田新監督が「全然違う野球をやる必要はないし、やろうとも思わない。期待はしてもらって結構です」と堂々と言い切った。金本新監督の発するメッセージに注目が集まる。

 栄えある門出を前に強調したのは、何よりも「勝つこと」だった。立て直しが急務のなか、忘れてはならない、もっとも大切なことを突き詰めていく。