阪神が、今季限りで現役引退したオリックス平野恵一氏(36)に来季コーチとして入閣要請をしていることが23日、分かった。平野氏は08年から5シーズンは阪神でプレーし、金本知憲新監督(47)とともに戦った。今季まで走攻守3拍子そろった内野手として鳴らし、ガッツあふれるプレーでも沸かせた。打撃、守備走塁部門ともに秀でており組閣の内部調整をへて、最善のポストが用意される方向。入閣に支障はないとみられ、4年ぶりのタテジマ復帰が現実味を帯びる。

 輝かしい03、05年の優勝メンバーだけではない。金本新体制に、小さなガッツマンが加わりそうだ。オリックスに在籍し、今季限りで14年間の現役生活を終えた平野氏をコーチに招請していることが判明した。

 来季、11年ぶりの栄冠を目指すチームにとって、うってつけの存在だろう。平野氏は08年、オリックスから阪神にトレードで移籍。俊足巧打でレギュラーをつかみ、08年から5年連続で開幕スタメンを張った。10年には自己最高の打率3割5分、172安打をマーク。10、11年にゴールデングラブ賞に輝くなど、攻守にバランスの取れた好プレーヤーの1人だった。

 金本監督とは5年間、同じ主力としてともにプレーしており、守備走塁で1点の攻防を重んじる金本流の野球観を熟知する。細かい野球を推し進める上でも、平野氏のプレースタイルが合致する。チームメートとして、公私ともに大先輩を慕ってきた。何よりの共通点は白球への「熱い心」だろう。オリックス時代には飛球を追ってフェンスに激突する重傷も味わった。一塁へのヘッドスライディングも代名詞。169センチと小柄ながら、失敗を恐れぬ果敢な心、野球にどこまでもひたむきな心が原動力だ。

 19日の就任会見で、金本新監督は新コーチの条件として「情熱のあるコーチです。『何が何でもこの選手を一人前にする』というコーチ。すべて気持ちから入ると思う。気持ちのないコーチを選ぶつもりはありません」と言及し、指揮官の理想像にもぴたりと当てはまる。急ピッチで組閣が進み、週明けにも全容が見えてくる。現有スタッフの内部調整などを行った上で、平野氏には2軍の守備走塁部門や打撃部門などを軸に最適なポストを検討する。

 これまで高代ヘッドコーチ、平田チーフ兼守備走塁コーチのほか、掛布2軍監督らが決定。さらに、1軍では矢野燿大氏(46)は作戦兼バッテリーコーチへの就任が決定的で、片岡篤史氏(46)の打撃コーチ再任が濃厚。久慈照嘉氏(46)には再び内野守備走塁部門を託す方向。2軍では今岡誠氏(41)に野手総合コーチのポストを用意している。

 Vメンバーがズラリと並ぶ豪華布陣に、平野氏も名を連ねそうだ。受諾に支障はないとみられる。9月25日に引退会見したばかり。経験豊富で、何より今季まで現役だった若さも魅力だろう。金本体制はバラエティー豊かな陣容を整えて、V奪還に挑めそうだ。

 ◆平野恵一(ひらの・けいいち)1979年(昭54)4月7日生まれ、神奈川県出身。桐蔭学園-東海大を経て01年の自由獲得枠でオリックスに入団。07年オフに交換トレードで阪神移籍。10、11年に二塁手としてベストナインとゴールデングラブ賞を受賞。12年オフにFA権を行使してオリックスに復帰し、今季限りで引退。通算1260試合、1184安打、18本塁打、263打点、2割7分9厘。169センチ、67キロ、右投げ左打ち。