これぞ金本流走塁改革! 阪神は15日、秋季キャンプが行われている高知・安芸市営球場で5イニング制の紅白戦を開催した。常に先の塁を狙う姿勢の重要性を説き続ける金本知憲新監督(47)の思惑通り、今成亮太内野手(28)が一瞬のスキを突く走塁を披露。新生タイガースの“いやらしさ”が見えてきた。
1点先制直後の1回裏1死一、三塁、フルカウント。サインはランエンドヒットだ。一塁走者江越がスタート。しかし、打者梅野が岩貞の外角変化球を空振りし、三振に倒れる。捕手岡崎が二塁送球。ボールの軌道、高さを確認すると、三塁走者今成は瞬時の判断でスタートを切った。
今成 ボールが投手を超えたところで判断しました。バッテリーもああいうことをやられると嫌だと思う。スライディングも手で触れられて良かった。
二塁手上本がカットに入り、素早く本塁へストライク返球。今成はタッチから体を逃がし、間一髪のタイミングでホームベースに左手を触れさせた。来季から本塁上でのブロックを禁止されるルール改正に備え、今キャンプで反復練習を続けたスライディング方法を実践。意図せぬ形とはいえ重盗が決まり、高代ヘッドコーチは「いい判断だった」と高評価した。
今季は広島に3度も一、三塁からの足攻を決められ、痛恨の失点を刻んだ。逆にチーム盗塁数48は12球団最下位。11年ぶりのV奪回に向け、走塁改革は最重要課題といえる。集中力を切らさず、いやらしくスキを突いていこう-。新指揮官の野球観は確実に、ナインに浸透し始めている。
もちろん、改革は1日にして成らず、だ。重盗の裏にはランエンドヒットで空振りした梅野のミスが存在する。5回表には森越がセーフティースクイズに失敗している。高代ヘッドコーチは「課題はたくさん出た。まだまだ足りない」と厳しく振り返った。成功だけに浮かれず、冷静にかぶとの緒を締め直す。この作業の繰り返しが走塁改革の礎となる。【佐井陽介】



