巨人の告発を受け、再び日本野球機構(NPB)の調査委員会が野球賭博問題を調べることになった。任意で行われる調査の成果を上げるには、賭博の相手とされる飲食店経営者や仲介した笠原将生元選手の協力を得られるかが鍵になる。

 この飲食店経営者は昨秋に発覚した笠原元選手らの賭博にも関わったと認定されているが、その際の調査には非協力的だった。熊崎勝彦コミッショナーが「事情聴取を求め続けたが応じていただけなかった」と振り返るように十分な究明はできず、高木京介投手の関与を見落とす結果となった。

 今回の件では既に疑惑を認めている高木投手への聞き取りは困難ではないが、全容解明には飲食店経営者らの情報提供が欠かせない。熊崎コミッショナーは「誠意を持って働き掛ける。工夫を凝らし、合法的かつ柔軟な対応を検討する」と言い、聴取に応じてもらえるよう手を尽くす構えだ。

 熊崎コミッショナーと調査委の大鶴基成委員長は、元東京地検特捜部長の経歴を持つ。うみを出し切り不祥事の連鎖を断つために、捜査のプロの手腕を発揮することが求められる。