日本ハム中田翔内野手(27)が2年ぶりサヨナラ打で勝負を決めた。2点差を追いつかれた9回2死三塁から、貴重な一打を放った。3回には3年ぶりの三塁打も放つなど、3本の適時打でけん引した。初回には大谷も3号3ランを放つなど、打線が活発づき、チームは楽天に2連勝。勝率を5割に戻した。

 ドヤ顔で両手をたたいた。無心の中田が、勝利を決めた。同点とされた直後の9回。フルカウントまで粘って6球目。狙いを絞ったスライダーをはじき返し、左翼線でふわりと弾んだ。14年9月27日オリックス戦以来、約2年ぶりのサヨナラ打。一塁ベースに到達し、迫り来る仲間を無邪気に受け止めた。「気持ちで打ったので、よく覚えていない」。胸の鼓動を落ち着かせるように、お立ち台で冷静に記憶をたどった。

 鬼の形相で駆け抜け、勝利を引き寄せた。1点リードの3回。外角高め137キロのスライダーを捉える痛烈な一打。高く舞い上がった打球が左翼フェンスに直撃すると、加速した。「今の状態なら(スタンドへ)入らないと思った」。体重100キロのパワフルボディーを揺さぶり、三塁めがけて走った。13年以来、3年ぶりの三塁打。7回の左前打の際も果敢に二塁を狙いにいくなど、チームの士気を高めた。

 原点に立ち返る、きっかけがあった。19日西武戦。1点リードの均衡した6回に、二塁走者中田が痛恨のけん制死で散った。翌20日の試合前練習。川名外野守備走塁コーチとのマンツーマンで走塁練習で、ふいに懐かしさがこみ上げた。「昔、こういうことやりましたよね」。プロ1年目の08年。2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷で同コーチと繰り返した練習の1つだった。失敗を踏み台にして、勝負どころで生きた。「ボールが転々としていたから、いけるかなと思った」と足でも攻めの姿勢を貫いた。

 新たな反省点が、闘争心をかき立てた。追いつかれた9回に打球をファンブルし、記録にはならない失策を犯した。「全て自分の責任と、最後の打席でも思っていた」。過ちを乗り越え4日以来の勝率5割に戻す、勝利を呼んだ。栗山監督は「本当に良かった」と頼もしい姿をたたえた。中田は「とにかく勝てて良かった」と、男らしく一言に喜びを込めた。【田中彩友美】