球場の重苦しい空気も、塁上に埋まった走者も、広島丸佳浩外野手(27)の一振りが一掃した。最大3点差から1点差とした8回。2死から松山と田中の連打で二、三塁とし、菊池は追い込まれながらも四球を選んだ。2死満塁。丸は1ボールからルーキが投げた2球目、外角低め149キロを捉えた。左中間を真っ二つに破る適時二塁打で試合をひっくり返した。「あそこはうちの方針。つなぐ意識がみんなにあったので、こういう結果になった」。終盤までの重苦しい空気を振り払う一打に、チームメートとともに喜びを爆発させた。

 1回に守備の乱れから3失点すると、初対戦のデイビーズを打ちあぐねた。だが苦戦した右腕が降板した終盤、空気が変わった。「変な空気はありましたが、まずは1点ずつ返していこうと話をしていました。相手の投手が代わって、逆に流れを持ってこようと思った」と丸。7回に2点差に迫る適時打で「逆転の広島」に火をつけた。

 丸の5月29日DeNA戦(横浜)以来の1試合4打点の活躍もあり、今季36度目の逆転勝利で4連勝。貯金は最多の「23」に膨らんだ。「最後まで諦めずに集中力を持って、最後は丸がよく打ってくれた。トータル的に野手も報われたし(先発野村)祐輔も報われた」。緒方監督も喜びをかみしめた。早ければ21日にも、マジック21が点灯する。追走する巨人の姿など振り返らず、このまま勢いに乗ってラストスパートをかける。【前原淳】