守備に足を引っ張られても、試合は作った。ヤクルト戦に先発した阪神秋山拓巳投手(26)が、7回途中2失点で踏ん張った。2回、中村の左翼後方の飛球を捕り損ねた高山のミス(記録は左2)をきっかけに失点。6回にはキャンベルら内野手がお見合いして飛球を安打にする失態に見舞われながら、無失点で耐えた。1勝2敗と結果はついてきていないが、きっちり試合を作る奮闘が光っている。

 惜しみない拍手の中、厳しい表情の秋山がベンチに歩く。1週間前と同じ光景が切ない。6回1/3を8安打2失点で自身2連敗。そんな数字では計れない、丁寧かつ粘り強い投球だった。

 秋山 2点目の最初の三塁打は防ぎたかった。(7回続投の)期待に応えたかったんですが…。

 試合後は反省点を絞り出した。140キロ台の直球はスピンが利いて走り、カットボールとシュートは低めに集まる。タイミングを外すカーブも実に効果的だった。悔やんだシーンは同点で迎えた7回、先頭7番中村への1球だ。1ボール2ストライクと追い込みながら、低めの138キロ直球で右中間を抜かれた。前進守備を敷いた1死三塁で代打大松を二ゴロに仕留めたはずが、間一髪で三塁走者中村の左手がホームベースを触る。決勝点の取られ方さえ責めづらいぐらいだ。

 「独特で難しかった」。神宮のマウンドへの適応に苦しみながらも制球は安定していた。2回2死からの先制点献上も後悔するのは難しい。7番中村の二塁打は左翼高山がグラブに当てながら捕れず。2死二塁から8番谷内に左前適時打を運ばれた。「歩かせてOKの場面。厳しいところを攻めたので。相手がうまかった」。丁寧にコースを突き、フルカウントから外角低めボール球のカーブをすくわれた結末だ。

 前回4月25日DeNA戦は8回途中で11三振を奪い、3安打1失点で負け投手に。3試合連続で白星から見放されているが、登板4試合連続無四球ピッチングだ。今季2四球は規定投球回到達者では最少。金本監督は「安定していいピッチングをしてくれているから」と褒めたたえる。

 秋山 自信はなかなかつかないですけど、一気に崩れなくなったことは自信にしたいと思います。

 帰り際、三塁側内野席の前を歩けば、虎党から大歓声を送られた。6連戦の初戦を任されるだけのオーラが、徐々に漂い始めている。【佐井陽介】