ルーキーの台頭とともに、虎の7月反攻もスタートや。阪神がドラフト1位大山悠輔内野手(22)の2安打1打点の活躍で、6月15、16日以来の連勝を飾った。2回に先制の口火を切ると、2点を追う6回には右前適時打で反撃のノロシを上げた。守備でも好プレーを演じた。前日1日にプロ1号を放った男が連日輝いた。さあ、虎党を熱くする夏の始まりや。
つかんだ主役の座を、簡単には離さない。連日のお立ち台で、大山が叫んだ。「今日も幸せです!」。プロ初安打を決勝3ランで飾り、連敗を8で止めた翌日。2週間ぶりにチームの連勝を呼んだのは、またもドラ1ルーキーだった。
先頭で迎えた2回だ。初球、石川のシンカーをレフト前へ。さらに高山、大和が初球攻撃で続いた。3連打で先制のホームを踏んだ。「来た球に対して、しっかり振る。ボールに食らいついていくだけ」。自信をつけたスイングで波に乗った。
この日2本目の安打は6回だった。1本出たとはいえ、サバイバルの真っ最中。前日は1発放ちながら「2つ三振しているので、今日が勝負だなと思っていた」という。チームが逆転された直後。無死二塁で、高めのカットボールに詰まりながら、右前へタイムリー。逆転勝利への流れを築いてみせた。
懸命にアピールする若虎に金本監督は目を細めた。「最後のレフトフライもいいポイントでね。ちょっとこすっただけで…。本当にウチにはいないタイプ。思い切りの良さもあるし、変化球をブンブン振るわけでもなく」。しかも、バットだけではない。守りでも見せ場があった。1点リードの4回無死一、三塁。一塁手として、高いバウンドのゴロに対し、全力チャージ。本塁封殺で危機を脱し、スタンドを沸かせた。その後も一邪飛、一直と、ノックを受けているかのような独り舞台。ベンチに帰る際には拍手喝采で、観客の視線をくぎ付けにした。
ムードメーカーとなりつつある。金本監督も「大山は必死にやっているだけですが、チームとして戦力になっている。そういう盛り上がりもあるかもしれない」という。その活躍も努力があったからこそ。初打席から8打席、「H」のランプは点灯しなかったが、オフ日の6月26日には鳴尾浜の室内練習場に背番号3の姿があった。マシン打撃で汗を流し、次なる舞台に備えていた。
チームは4カードぶりの勝ち越し。金本監督は「一時よりはトンネルを抜けたかなという思いはあります」と打線を評した。首位広島も勝ち、7・5ゲーム差は変わらなかったが、虎打線の梅雨明けは近そうだ。【真柴健】
▼大山が1日ヤクルト戦でのプロ初安打となる1号3ラン本塁打に続き、打点を記録。プロ初安打を本塁打で飾った阪神のドラフト入団新人は大山で7人目だったが、次の試合でも打点を挙げたのは69年田淵幸一以来、2人目。



