暖冬更改のラストも、この男が締めた。DeNA山崎康晃投手(25)が25日、横浜市の球団事務所で契約更改交渉を行い、7000万円増の年俸1億5000万円でサインした。1年目の1500万円から10倍となり、プロ4年目としては球団史上最高額となった。3シーズンほぼ守護神を務め、通算96セーブ。あと4つと迫った日本人史上最速100セーブに、大きな弾みをつけた。(金額は推定)

 クローザーの出番はやはり、最後の最後だった。チーム55番目の契約更改交渉に臨んだ山崎康は、年俸1億5000万円でサインをして締めくくった。「1年間やってきた結果。プロ野球選手は数字で評価される。十分評価されて、こういう額になったと思う。出してもらった額には納得している」。球団の評価を冷静に受け止めていたが、7000万円増は今オフ、チーム最高のアップ額だった。

 会見場に用意された門松に書かれた「迎春」の文字通り、一足早い春が訪れた。14年ドラフト1位で入団し年俸1500万円から3年間で10倍に昇給。4年目での1億5000万円は球団史上最高額になる。チーム最多68試合に登板で26セーブ、19ホールドポイント。防御率は1・64と1点台をキープした。一時は抑えの座をパットンに譲ったが1カ月で再奪取。誰よりも守護神としてのプライドを持っている。

 あと4つと迫った日本人史上最速での通算100セーブも通過点にすぎない。「絶対的守護神を目指してやっていきたい。チームが優勝するためにはそれが不可欠。年間通して不動でいきたい」と、来季は1度たりとも譲るつもりはない。チームの20年ぶりリーグ制覇に導くクローザーとなれば、おのずと日本記録も現実味を帯びてくる。

 今季、パ・リーグMVPのソフトバンク・サファテが持つ日本記録54セーブ。その数字を聞き、少し苦笑いをしながら言った。「人間なんで失敗もありますしなかなか難しいけど、彼(サファテ)を目標にしたい」。シーズン終了後はほぼノースローで回復に努めている。「まずは温泉に漬かってリラックスしたい。胴上げ投手になるイメージを持って、来年は戦う」。今は体を休めて迎えるプロ4年目の来季、もっと高くジャンプする。【栗田成芳】

 ▼山崎康が7000万円増の1億5000万円で契約更改。DeNAで入団4年目での年俸1億円到達は、00年川村(1億円)に次いで2人目で、1億5000万円は球団最高額。