巨人、侍ジャパンなどで監督を務めた原辰徳氏(59)と阪神金本知憲監督(49)が15日、都内の野球殿堂博物館で行われた殿堂入り通知式に出席した。金本監督は元阪神監督で、昨年殿堂入りした楽天星野仙一球団副会長(享年70)のレリーフに、今季の優勝を誓った。

 金本監督は、恩師で4日に急逝した楽天球団副会長の星野仙一氏に優勝を誓った。表彰会場の野球殿堂ホールへ入ると1年前に表彰された星野氏のレリーフが目に飛び込んできた。

 「去年、星野さんが選ばれて入れ替わるように、自分が今年、選ばれまして、本当に面と向かって『選ばれました』という報告をしたかったです。残念です」

 02年オフ、FA宣言した広島金本を情熱的に口説き落としたのが当時、阪神監督の星野氏だ。翌03年に優勝。この日、広島入団時の監督で星野氏の盟友でもある山本浩二氏が「本来、星野仙一がここでスピーチするべき」と惜しむと、金本監督も「もう70歳。かなり丸くなられているので、おそらく優しい言葉を掛けていただいたと思います」と天国の故人を思った。

 小学生で野球を始めた頃、叔父に言われたという。「野球というスポーツはきりがない。プロ野球に入ること、レギュラーを取ること、名球会、その上に殿堂入りというものがある。そこまで向かって頑張れ」。頂点を指し示してくれた「おっちゃん」も昨年11月、秋季キャンプ中に他界。後押ししてくれた人に感謝して、野球道をまい進する。

 競技者表彰のプレーヤー部門での選出で、候補1年目での“一発受賞”となった。金本監督は「恐縮する思いの方が強い」と謙遜しながら、今季を問われると「就任3年目。もちろん結果も欲しいし、内容も欲しい。就任当初の志を強く持ったままブレずに強いチームを作って優勝したい」。星野氏のレリーフの前で語気を強めた。【酒井俊作】