虎の命運を握る男が、来日初アーチだ。阪神新助っ人のウィリン・ロサリオ内野手(29)が、巨人3回戦(東京ドーム)の4回に、1号ソロを左翼席に運んだ。甘く入ってきた128キロのスライダーを逃さず、仕留めた。チームは宿敵との開幕カードで負け越したが、シーズンを見据えればロサリオのバットが悲願Vのカギを握るのは間違いない。開幕3連戦で12打数4安打(打率3割3分3厘)に加え、3試合連続打点。セ界ライバルをなぎ倒していく。

 左翼へ伸びる高弾道を見つめ、ロサリオが叫んだ。強く振り抜いて描いた来日初アーチ。着弾するまで白球をにらみつけ、サイドステップを繰り返す。スタンドインを確認すると、ゆっくりと走りだした。

 「甘い球をミスせずに捉えることができたね。素直にうれしい。これからもチームに貢献できるように頑張るよ」

 1点リードの4回だった。4球目の真ん中に入ってきた128キロスライダーを打った瞬間、右手をバットから離して確信。ベンチ前のハイタッチの儀式では、糸井と両手を高く掲げ、握りしめ合いながらジャンプ。さらに金本監督のいる本塁方向へ、再度ハイタッチを求めて歩み寄り、歓喜の時間を2倍分かち合った。

 強い打球を放つ準備を忘れない。打席に入る際、バットでラインを引き、ステップ幅を決めている。そのラインから左足がはみ出さないように着地させ、その場で体を回転する意識でスイング。外角に逃げる変化球を追いかけないように心掛けている。この日は直前の3球目、外角のコースぎりぎりのスライダーに空振りしたが、さらに甘く入ってきた同じスライダーを仕留めた。「やってきたことが身についている。だんだんいい感じになってきたのでもっと良くなると思います」。オープン戦は打率1割4分3厘に沈んだが、開幕カードで打率3割3分3厘。打点も3試合連続マーク。メジャー通算71発、韓国で2年連続3割30発100打点クリアの対応力を見せ始めている。

 「打てたのはうれしいけど勝てなかった。そっちの方が悔しい。(日本野球に)慣れてはきたけど、まだ始まったばかり。残り試合はいっぱいあるので、自分の仕事をしてチームの勝利に貢献できるように、チームの助けになれるように続けていきたい」

 チームを見れば、開幕戦で5番福留と6番大山が1発を放ち、前日3月31日には3番糸井が今季初本塁打。この日は4番に待望1号。カード負け越し発進だが、内容はプラス面も多い。金本監督も「今日、全部、いい当たりをしていた」と語ったように、ロサリオは6回にも二塁打で来日初マルチ安打。金本阪神悲願のVへ。その道のりをロサリオが、明るく照らしてくれるはずだ。【真柴健】

 ▼阪神の新外国人ロサリオが開幕3戦目に来日初本塁打を放った。阪神の外国人選手で、開幕カードで本塁打を記録したのは、90年以降で16人(のべ23度)いた。このうち来日1年目の選手は91年オマリーら過去8人で、ロサリオが9人目。また、ロサリオは開幕から3試合連続打点も記録。阪神の外国人選手では、16年のヘイグ以来となる。