ソフトバンク中村晃外野手(28)が1日のオリックス3回戦(ヤフオクドーム)でプロ初となる満塁弾を放ち、チームを逆転勝ちに導いた。2点差の6回に殊勲弾が飛び出すと、打線も呼応。8回には長短8安打を集め、大量8得点。終わってみれば先発全員の計16安打12得点で猛牛を圧倒した。開幕カードを2勝1敗と勝ち越し、工藤監督も「すばらしいホームランだった」と大絶賛した。
エープリルフールでも「嘘」ではない。2点を先制された直後の6回裏。塁がすべて埋まった。打席に立った中村晃は自分に言い聞かせた。「犠牲フライでもいい。三振しないように」。カウント2-2と追い込まれた5球目。真ん中高めに甘い直球が来た。コンパクトに振り抜くと打球は右翼スタンド最前列にライナーで突き刺さった。プロ通算24本目。今季1号が初体験のグランドスラムとなった。
「甘い球はなかなか来ない。でもその甘い球を仕留められたのは良かった」。笑顔でダイヤモンドを回ると、ホームベースを踏み忘れそうになった。「危なかった」。戻ってしっかりとベースを踏み直した。打席に向かう直前、ベンチで西田がささやいた。「晃さん、ゆっくり振ってください。ゆっくりで大丈夫です」。後輩の助言がヒントになった。手に残る感触を思い出しつつ中村晃は言った。「力むとどうしても(始動が)早くなる。(西田の言葉で)いい結果が出ました」。開幕3連戦は王会長も珍しく練習から見守った。「直球を仕留めろ」。世界のキングの教えをしっかりと体現。満塁弾が飛び出すと、一塁ベンチ横の球団室で見守った王会長も球団幹部らとハイタッチして喜んだ。
前日3月31日はオリックスの外国人2人のアーチにやられた。やられたらやり返す。中村晃の1発は打線の活性を生んだ。8回だった。猛牛3投手に長短8安打を浴びせ大量8得点。終わってみれば先発全員となる計16安打12得点の完勝だ。「すばらしいホームランだったと思います。何とか同点もしくは逆転とは思っていたけど、最高の結果と思う」。試合後、工藤監督は中村晃の殊勲の1発を大絶賛した。自慢の打線がようやく目覚めた。音無しだった内川、デスパイネの両主砲もこの日、ようやく「H」ランプをともした。「(内川、デスパイネも)ヒットが出てホッとしていると思うし、打線も変わると思う」。開幕カードを勝ち越し、「打ち勝つ」野球を掲げた工藤監督もようやく笑みがはじけた。【佐竹英治】



