ハルトを勝たせるんだ! 阪神先発高橋遥人投手(22)の力投に、先輩ナインも燃えた。まずは初回、糸井嘉男外野手(36)が左中間を破る先制のタイムリー二塁打。5回は大山の押し出し四球に続いて糸原健斗内野手(25)が2点タイムリーを放つなど、3点を奪って援護射撃した。ルーキーの力投にナインが一致団結。2夜連続、会心の六甲おろしだ。

 初々しく何度も帽子をとる後輩の姿を見て、奮起しないはずがない。虎の先輩野手陣が、先発ルーキーの高橋遥を猛烈援護でもり立てた。試合前から野手陣は「高橋に勝ちをつけてやろう」と口にし合っていた。プレーボールから内野手はマウンドに何度も足を運び、イニングの合間にも声を掛けた。けなげに腕を振る後輩に白星をつけた。試合後みんなが笑っていた。

 糸井 今日は高橋くんでしょー! ナイスピッチンッ!

 糸原 めちゃくちゃ良い球を放っていた。ナイスピッチングでした!

 どうしてもプレゼントしたかった先制点は1回に糸井のバットから。1死一塁から左中間を割る適時二塁打をかっ飛ばした。直球を逆らわずに打ち返し「アウトコース気味のボールに、うまくバットを出せた。先制点をとれて良かった」と喜んだ。緊張をほぐしてやり、3万8108人の甲子園にスイッチを入れてムードを作り上げた。

 王者広島を相手に、初々しい左腕が立ち向かう。1-0で静かに進んだ試合を5回に再び動かした。1死から上本が右前打で出塁。3連続四球の押し出しで追加点を奪うと、2死満塁で糸原だ。3球で追い込まれたが、食い下がる。動く直球、フォークにバットを投げ出すように粘った。カウント2-2からの8球目。浮いてきたフォークを左前に落とし2点適時打。「何とか食らいついた結果。何とか追加点を、と思っていました」と汗をぬぐった。

 何が何でも、と3点を奪い高橋遥を送り出した。金本監督も糸原の一撃をたたえた。「打席での執念、粘りというか。2死満塁で2ストライクになると、打者は相撲で言えば土俵際に追い詰められた気持ちになるんですけどね。そこからの粘りとかを本当に出してくれて。ナイス適時打でした」。糸原はそれでも、何度も高橋遥をたたえ「投手に助けられる試合もあるし、僕たちが助ける試合もある。そういうチームが強いと思う」と言った。助けてあげたくなる後輩と、頼もしい先輩。あたたかい虎の春だ。【池本泰尚】