選手が「最低限の仕事はできた」とよく話す。犠飛で走者をかえしたあとだ。日本ハム中田翔内野手(29)は昨年、13本を記録した。両リーグトップ、歴代でも2位にランクされる。一般にフライは油であげるが、犠牲フライの場合、油でなく(危なげなく?)あげないと得点は難しい。

歴代1位は大杉勝男(東映=70年)の15本で、中田は2本差まで迫った。3位は原辰徳(巨人=91年)ら4人が並ぶ12本。3位はすべてが90年代以前のもの。中田も前年(17年)は4本だけだった。「ここ数年、なかったでしょう(中田で翔?)本数です」。

そんな中田に犠打は1本もない。1179試合、4883打席の出場で0。12年に1度試みたが、ファウルだった。上がいる。田淵幸一(西武)は1739試合、6875打席で犠打はなし。こちらは4度のバントすべてファウルだった。中田はどこまで0を続けるだろう。「永遠のゼロ」? そんな本もありますが。

近年、フライボール革命が言われる。飛球の方がゴロより安打になる確率が高いらしい。中田は実践しているのだろうか。それでも併殺打が24本もあった。リーグのワースト。打ち損じて「飛ばずに? 火に入る夏の虫」になった、と解釈している。【米谷輝昭】