巨人菅野智之投手(29)が、ノーヒットノーランの経験からヒントを得た投球フォームの極意を完全習得する。昨年、ヤクルトとのクライマックスシリーズ(CS)で史上初のノーヒットノーランを達成。「あの時、マウンドで感じた感覚を大事にしたいので、今年は体幹をメインに強化しています」と話した。

球史に輝く快投を肥やしにする。あの試合、菅野によれば「状態が悪くて。腕が振れないし(投球に)違和感がある中で投げていた」。投球時に、右肘など体の一部分を固めることで腕が鋭く振れるよう、マウンド上で巧みに修正。力感のないフォームからキレのあるボールを投げ、ヤクルト打線を沈黙させた。

菅野 再認識したのは、どこかが止まらないと(腕も)走らないということ。それが、僕の中では体幹かなと思った。

ハワイ自主トレ打ち上げだったこの日も、体幹を意識した。腹筋やゴムバンドを使ったトレーニングなどで強化。「体幹でしっかりと体を固めて、力感なく投げられるように。いい感じでやれていると思います」と充実した表情で話した。キャッチボールの締めには、捕手役の宮国が中腰の状態でボールを受け「7~8割の力」でキレのあるボールを投げた。緊張と弛緩(しかん)。矛盾を自在に操って、投球を極める。