明大に新たなスピードスター誕生を感じさせた。丸山和郁外野手(2年=前橋育英)がリーグ戦初安打を含む3安打を重ね、勝利に貢献。

3本とも全て内野安打だった。50メートル5秒8の俊足をいかんなく、発揮した。

「ホッとしてます」

無安打に終わった1回戦に続き2番中堅で出場。初回、投前へのセーフティーで初安打を記録すると、3回、4回はいずれも遊撃内野安打。得点につなげた。

高3夏の甲子園は3回戦で敗れたが、個人での大会記録に並ぶ8盗塁をマークした。投げては、最速144キロ左腕としてならした。だが、大学は順風ではなかった。

1年春のオープン戦で右肩を脱臼した。高校時にも3回、脱臼しており、手術に踏み切った。リハビリ期間はスタンドから応援するしかなかった。陶山、磯村、竹田ら同学年のプレーを見守る日々。「悔しい。それだけでした」と、当時の心境を正直に話した。脱臼は利き腕とは違うが、投手は諦めた。

手術をへて、ようやく昨秋に復帰した。今度は、木製バットへの対応に追われた。「当てるだけで、持ち味が出せていなかった。冬は毎日振り込みました」。一冬を越えて成長し、レギュラーをつかんだ。

この日は、守備でも光った。2回1死から、立大・藤野の左中間への飛球に俊足を飛ばし、滑り込みながらキャッチ。善波達也監督(56)は「(内野安打3本で)ああいう形は彼の一番の持ち味。守りでも、マルのところは一定の安心感が出ている」と目を細めた。丸山は「次はクリーンヒットを打てれば」と、笑顔で話した。