<日本ハム1-4楽天>◇23日◇札幌ドーム

投手交代を告げるアナウンスに、札幌ドームがどよめいた。6回、日本ハムのマウンドに5回までパーフェクト投球だった先発杉浦稔大投手の姿は、なかった。

球数は、わずか65球。1人の走者も許さずストライクが先行した。9奪三振と文句なしの投球。なぜ交代だったのか?

ベンチに迷いはなかった。栗山監督は「球数のメドは決まっていた。本人は、どんどん行きたいだろうけど、体のこともある」。2月の春季キャンプで1軍スタートも、コンディション不良から2軍での調整が続き、この日が1軍では今季初登板だった。2軍での成績は、ここまで4試合で計9回1/3しか投げていない。中10日の登板間隔で3イニング以上を投げたことも1度もなかった。だから、交代は予定どおりだった。

杉浦は「これまでキャンプが終わって1カ月くらいでケガをすることが多かった」という。ヤクルトにドラフト1位で入団した13年から、毎年のように右肘、右肩と故障に泣かされ「僕自身が払拭(ふっしょく)していかないと」と弱いイメージからの脱却を狙う。24日にも出場選手登録を外れる見込みだが、1軍に同行しながら再登板の機会を待つ。長いシーズンを見据え、杉浦を生かすためのパーフェクト降板だった。【中島宙恵】