楽天の助っ人砲コンビが、ボスのバースデーを派手にお祝いした。

ジャバリ・ブラッシュ外野手(29)が6回にチーム初安打となる同点2号ソロを放てば、9回にはゼラス・ウィーラー内野手(32)が決勝の6号3ラン。39歳の誕生日を迎えた平石監督にバットで白星をプレゼントし、3連勝に導いた。

  ◇    ◇    ◇

先頭で打席に入るブラッシュにとっては、ありがたかった。5回まで毎回の9三振を喫してパーフェクトに抑え込まれていた日本ハム杉浦が交代。「非常にいいピッチングをされて、捉えることが難しかった。ああいう場面で代わってくれたのはうれしかった。前向きな気持ちで、何とか雰囲気を変えようと思っていたよ」。腕が伸びるゾーンに入ってきた2番手バーベイトの外角高めカットボールを逃さず、左中間スタンドに突き刺した。3月31日のロッテ戦以来、出場14試合ぶりの1発だった。

ベンチにいたウィーラーは、ブラッシュの同点弾を見届けたタイミングで平石監督のもとへ歩み寄り「誕生日、おめでとうございます」と、あらためて個人的に祝福。そして9回1死一、二塁から日本ハム秋吉の初球スライダーを左翼席へ放り込む3ランを放った。「得点圏になると(配球で)変化球が多くなるから狙っていた」。今季8試合で無失点だったサイド右腕を沈め、西武山川と並ぶリーグトップ21打点とした。

試合前には球場入りした平石監督を選手とスタッフ全員でサプライズ祝福。監督の誕生日をみんなでお祝いするのは、米大リーグでもなじみ深い習慣だという。ブラッシュは「平石監督のバースデーだったからね。今日の勝利で花を添えられたのはうれしい」と喜んだ。ブラッシュ以上に付き合いの長いウィーラーは「平石監督は素晴らしい人。みんなから愛され、ああやって祝われるべき人だよ」と言った。2人の熱い思いが、バットに乗り移った。【亀山泰宏】