オリックス榊原翼投手が初の地元凱旋(がいせん)登板で7回2失点と粘投し、今季2勝目を手にした。

初回に先制点を奪われるも、中盤からは最速150キロの直球を軸に凡打の山を築いた。しかし7回、清田に中前への同点打を浴び、「本当に悔しかった」とベンチで涙を浮かべた。直後に打線が勝ち越しを決め表情は一転、笑顔に変わった。お立ち台では「千葉で勝てたのは本当にうれしい。15年間育った千葉県最高でーす!」と声を張り上げた。

中学時代の恩師の前で成長した姿をみせた。この日は家族や同級生の他に中学時代の担任の先生を球場に招待。「自分がやんちゃだったので、本当にお世話になりました」。埼玉・浦和学院に進学した後も応援に駆けつけてくれていたという。“ニコちゃんマーク”が記された自身のサインを恩師が考案するなど、卒業後も頻繁に連絡をとり、右腕の支えとなっている。勝利という最高のプレゼントで恩返しに成功した。

これで6試合連続のクオリティースタート(6回以上、自責3以内)。西村監督は「だいぶ(安定感が)出てきた。若い投手が出てきているのはチームにとっても大きい。どんどん競争していってほしい」と語った。20歳の右腕が地元で躍動した。【古財稜明】