阪神藤浪晋太郎投手(25)が約2カ月ぶりに実戦のマウンドに帰ってきた。ウエスタン・リーグ広島戦(由宇)に1イニング限定で先発し、小園を左飛、大盛を空振り三振、林を投ゴロ。左打者3人を無安打に抑えた。

「9球しか投げてないですが、しっかり投げられて良かったかなと思います。とりあえずマウンドに上がったんで、ここからしっかりやっていきたい」

予定通り、初回を投げ終え降板した。

藤浪の最後の実戦は3月12日のオープン戦の中日戦(ナゴヤドーム)で、4回無安打1失点ながら3四球1死球と制球面の課題を克服できなかった。降板後は「自分自身にガッカリです。思った通りの投球が全然できていなかった。あまりにも内容が悪すぎるというか勝負できる状況ではなかった」と語り、矢野監督らと話し合って2軍での調整が決まった。

2軍合流を翌日に控えた同14日には「本当は上にしがみつきたいですし、開幕も1軍で迎えたいですし、ローテーションに入りたいですし」と素直な心情を吐露。その上で「1軍に残してくださいって言うのも、もう1回チャンスくださいって言うのも1つの手というか、そういうのも良かったかもしれないですけど、それ以上にやるべきことがあるかなと思って」と腰を据えて調整する意欲を示していた。

フォーム作りで試行錯誤を重ねながら、まずは実戦登板まで歩みを進めた。公式戦の登板となると、昨年10月6日のDeNA戦(甲子園)以来7カ月半ぶりだった。

藤浪は入団年の13年から3年連続2桁勝利を挙げ、通算50勝。ここ3シーズンは7勝、3勝、5勝としている。

<19年藤浪のここまで>

▼初の紅白戦登板 沖縄・宜野座キャンプで2月11日に初の紅白戦登板。2イニングを投げて2安打1失点。最速は151キロを計測したが、2死球を与えるなど不安ものぞかせた。

▼投げ込み 2月19日にプロ入り最多の291球の投げ込み。同21日にも258球を投げるなどフォームをめぐって試行錯誤。

▼初のオープン戦登板 2月24日、中日とのオープン戦に初登板。4回4安打3失点。6四死球が絡む大乱調だった。

▼全員左打者との対戦 3月2日のソフトバンクとのオープン戦は7打者と対決したが、全員が左打者との対戦となった。2イニングを2安打無失点。腕を下げたスリークオーターを披露。走者がいない場面ではノーワインドアップだった。

▼2軍調整決定 3月12日の中日とのオープン戦で4回無安打1失点だったが、3四球1死球。試合後、矢野監督は2軍調整を明言した。

▼試合中のブルペン投球 2軍降格後、4月24日ウエスタン・リーグのソフトバンク戦で今季初めて試合中にブルペン投球。その後も同様のケースが見られた。

▼非公開練習 鳴尾浜残留の5月11日、12日に2日連続で非公開練習。関係者によるとマウンドから投球練習を行ったという。

▼2度ブルペン 鳴尾浜で珍しく1日に2度のブルペン投球。1軍の残留練習中に1度入り、ノックなど全体メニューを消化後、居残りでもう1度入った。

▼2段モーション 鳴尾浜での2軍残留組練習で「2段モーション投球」に取り組む。キャッチボールや遠投、ブルペン投球でも左足を2度上下させ、感覚を確認。10日のブルペンから試行していた。