広島大瀬良大地投手(28)がプロ入りワーストの4本塁打を浴びるなど、6回0/3、8安打6失点(自責4)で4敗目を喫した。「日本生命セ・パ交流戦」のロッテ戦。試合中に修正することができず、今季ワースト失点で、今季初めてイニング途中での降板。チームは5試合を残して交流戦負け越しが決まった。

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真っ黒なロッテファンの応援歌が響きわたる中、背番号14は静かにマウンドを降りた。大瀬良は立ち上がりから得意球カットボールの精彩を欠いた。何とか立て直そうと配球などで工夫するも、プロ入り初の1試合4被弾。今季ワースト6失点で、今季登板13試合目で初めてイニング途中での降板となった。エースでも、チームの悪い流れを断ち切ることができなかった。

1回、簡単に2アウトを取りながら、中村奨に148キロ直球をセンターバックスクリーンに運ばれ先制を許した。3回には荻野にカットボールを左翼席へ。5回は田村にスライダー、6回にはレアードに再び直球をセンターバックスクリーンに放り込まれた。「甘くなった球を逃してくれなかった」。7回は先頭藤岡の二塁打から連打と味方のミスも重なり、1アウトも取ることができなかった。

プレーボール直後の初球から、2球続けてカットボールをひっかけた。いつも通り、直球と同じような感覚でリリースするも、精度を欠いた。「カットボールが思うように曲がってくれなかった。それでも見せ球に使うなり、修正していかないといけなかった」。直球とカットボール主体の投球スタイルから片輪の精度を欠き、今季の成長を示す修正能力もこの日は最後まで発揮されなかった。

チームは交流戦5試合を残し、負け越しが決まった。緒方監督は「ちょっと引っ張りすぎた」と継投のタイミングを反省しつつ、大瀬良には「本塁打4本打たれてるんだから」と厳しい評価だった。ただ、交流戦3試合1勝2敗も、防御率は3・15。苦しい現状は投手だけの責任ではない。

それでも、大瀬良は立場を理解している。「(2番手)島内に迷惑をかけてしまったし、負担をかけてしまった。自分自身、次しっかりやり返せるようにやっていきたい」。ふがいない投球への怒りは、次回登板にぶつける。【前原淳】