ヤクルト山田哲人内野手が、足で見せた。わずかに土煙を上げながら、右足はタッチをかいくぐって二塁に到達。

「スタートが、今季で一番悪かった」と言いつつ26個目の盗塁を決め、セ・リーグ単独2位。昨季からは31連続とし、11~15年ソフトバンク福田の32連続成功の日本記録まであと1つに迫った。

5回1死、中日先発山本の直球をとらえて左前打を放った。続く4番バレンティンの初球で、すかさず仕掛けた。山本とは初対戦だったが、迷いはなかった。「始動が早かったから、イメージはできていた」。捕手木下拓の送球が素早く、タイミングは際どかった。それでもタッチがわずかに遅れ、セーフの判定。塁上で苦笑いを見せ「(タイミングが)危なすぎでしょ。中間走とスライディングがよかった」と振り返った。

今季の成功率は100%。日本記録更新を意識しながらも、あくまで「いける時にいくスタイル」と自然体。チーム全体での盗塁数合計45個のうち、1人で半数以上を稼ぐ。「チームとして貪欲に走ってくれと言われているので、記録もあるけど、いける時にいく」。4度目のトリプルスリー達成に向けては、2つ目の条件クリアへ残り4。走攻守そろった持ち味を、最大限に発揮する。【保坂恭子】