阪神矢野燿大監督(50)が、非情采配で勝利をたぐり寄せた。4点をリードして迎えた6回の守備。2死一、二塁となった場面で動いた。サードを守る大山が、先発青柳とともにベンチに下がった。

目を覆いたくなるような打席が続いた。5番三塁でスタメン出場した大山は1回2死二、三塁の先制チャンスで空振り三振。5回にも2死一、二塁で空振り三振を喫するなど、この時点で3打数無安打と精彩を欠いていた。

矢野監督は交代の理由について「内容が良くなかったのもあるし、スグル(岩崎)も次の回も行く予定というか、可能性もあったところ。そういう意味で代えました」と説明。ケガなどのアクシデントではなく打席の内容と、投手起用との兼ね合いだったことを明かした。開幕から4番を任された大山の途中交代は、4月12日中日戦以来4カ月ぶり。だが6回での交代は今季最短。これまでになかった交代が暗示させることは…。

今月10日には106試合目で初めて4番から外れたが、前カードの巨人3連戦で11打数1安打と浮上の気配がない。残り29試合。目指す逆転CS進出のために、残された時間は多くない。大山は試合後厳しい表情で、報道陣の問いかけに無言のまま、帰りの車に乗り込んだ。若き大砲がスタメン落ちの危機に陥った。【桝井聡】