不振にあえいでいた阪神大山悠輔内野手が2安打2打点と覚醒モードだ。

6番三塁で出場すると、4番マルテ、5番糸原の二塁適時打で2点を先行した直後。1回2死二塁の場面だ。ヤクルト山田大の内角直球をふり抜き右中間へ運んだ。「いい流れに乗って打てました」。初回から中軸の3者連続となる適時二塁打で3点をもぎ取った。

悔しさを力に変えた。大山が4番を外れたのは今季106試合目となる今月10日広島戦。20日DeNA戦では、2三振を含む3打数無安打と内容も乏しく6回途中で交代を命じられた。その後も矢野監督から打撃指導を受けるなど、打線復活のキーマンが大山だった。

4番マルテ、5番糸原、6番大山の新オーダーが相乗効果を生んでいる。8回にも2死三塁から4番マルテが左前適時打で貴重な追加点。5番糸原が左翼へ適時二塁打。6番大山も中越えの適時二塁打と続いた。

マルテは4番に入って打率3割4分2厘と好調。糸原は今季5番で打率5割9分7厘と高打率を残す。復調の気配が漂う大山は「今日の試合は今日で終わり。また明日に向けて準備していきたい」と表情を引き締めた。あれだけ苦しんだ虎打線につながりが生まれつつある。【桝井聡】