日本ハム公文克彦投手(27)が、西武22回戦(釧路)でデビューからの連続試合無敗の日本タイ記録を達成した。

6回無死満塁から3番手で登板。1回1/3を3失点と悔しい結果に終わったが、勝ち負けは付かず。13年の巨人でのプロ初登板から通算164試合負けなしとなり、巨人高木の記録に並んだ。チームは2-8で敗れて5割復帰を逃したが、移籍3年目の左腕は28日も釧路で行われる同カードでの雪辱、そして日本新記録樹立を誓った。

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球史に名を残す登板は、笑顔で終わることができなかった。連続試合無敗の日本記録に並んだ公文は試合後、悔しそうに節目のマウンドを振り返った。

公文 記録は出ましたけど、それよりは、打たれたことの方が…。点差も1点差だったので、あそこはしっかり抑えたかったと思います。

「あそこ」とは7回のことだ。

6回無死満塁を1失点でしのぎ、1点ビハインドのまま回またぎのマウンドに向かった。1死一、二塁とピンチを背負い、ベテラン栗山との勝負で2点適時二塁打を浴びた。初球と2球目は外角低めのスライダーを見極められて2ボール。3球目もスライダーを選択したが、やや高めに浮き、とらえられた。

公文 (最初の2球は)入りとしても、ボールとしても悪くはなかった。最後も甘くはないと思うんですけど、栗山さんはスライダーを狙っていたと思う。もう少し、低めに投げられたら結果は変わったと思う。(最初の)2球のうち、1球でもストライクを取っておけば、結果は変わったかなと思う。

試合の潮目を決定づけた失点を猛省すると同時に、冷静に分析した。巨人時代は4年間で15試合の登板のみ。16年オフのトレードで日本ハムに加入後の3年間で149試合に登板した。ブルペンに欠かせない戦力となり得たのも、こうした失敗を次に生かしてきたから。木田投手チーフコーチも「左投手であれだけ強いボールを投げられる投手は少ない。チームにとって貴重な存在」と認めるなど、地道に積み上げてきた首脳陣からの信頼が、珍しい勲章に手を届かせた。

肩を並べることになった巨人高木とは「(交流戦の)ジャイアンツ戦で一緒になった時に話はしていた」という。その3連戦初戦だった6月14日に高木は通算165試合目でプロ初黒星を喫し、記録は止まっていた。次戦で、巨人時代はともにプレーしていた先輩左腕が越えられなかった壁に挑む公文は「いい形でゼロで抑えられるようにしたい」。西武打線にリベンジを果たし、日本新記録を勝利で祝う。【木下大輔】