ヤマハが東海理化を6-2で破り、2大会ぶり25度目の本大会(10月21日開幕予定、京セラドーム大阪)出場を決めた。

14日の試合で4打点と好調を維持する4番前野幹博外野手(24)が、この日も4安打2打点の活躍でチームをけん引。予選を突破した各チーム内で、最も活躍した選手に贈られる殊勲選手賞を獲得した。

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ヤマハの主砲が、チームを大舞台へと導いた。前野は初回、1死一、三塁の好機で右翼への先制二塁打。3回には先頭で打席に入り、右越えのソロ本塁打を放った。その後も2安打。三塁打が出ればサイクル安打となるほどの活躍を見せた。「自分でもびっくりしている。チームが打たせてくれた4安打だと思います」と、謙虚に話した。

今予選序盤は、結果にこだわりすぎて空回り。2度のチャンスで凡退した12日の試合後には、室田信正監督(45)と2人で話し合った。その席で指揮官から「結果は気にせず、チームのための打撃を心がけてほしい」と言われ、意識が変化。「自分が打ちたい」という欲を捨て、体が前に突っ込む癖を修正し、チーム打撃に徹した。その結果、14、15日の2試合で計6安打6打点。4番としての存在感を示した。

今夏の都市対抗でも、4番で2試合にフル出場。「楽しめたが、1球の重さも感じました」と振り返った。社会人野球日本一の座を争う日本選手権には、2年ぶりの出場。優勝した16年大会も経験している。栄光の時代を知る1人は「僕たちは挑戦者。本番に向けて急激なレベルアップはできないが、少しでも力を伸ばして臨みたい」と、意欲を示した。【河合萌彦】