来季こそ「G倒」で優勝や!! 阪神矢野燿大監督(50)が14日、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージで敗退し、覇権奪回への思いを新たにした。王者巨人に完敗した前夜の試合後、ミーティングでナインを前に口を開いた。

「目指しているところはもっと上にある。ここに来れずに終わるシーズンより、ここに来てジャイアンツに負けて自分らの現在地も見えた。来年やり返そう」

濃密な約3週間だった。CS進出へ1敗もできない瀬戸際に追い詰められながら、9月21日広島戦から公式戦6連勝フィニッシュでCS切符をつかんだ。ファーストステージのDeNA戦では最大6点差を逆転勝ち。巨人にも1勝したが「1発攻勢&小技」のバリエーション豊かな攻撃に屈した。険しい道の厳しさは、歩んだ者にしか分からない。宿敵の強さを突きつけられ、敗退直後、ナインに訴えていたのは打倒巨人だった。

課題は山積みだ。11月の安芸秋季キャンプでは打撃と守備を重点強化する。矢野監督は「よくなかったところは、ある程度、はっきりしている。もっと点を取ったらとか、もっとエラー少なくとか。プロとして当たり前のこと。秋のキャンプで、もちろんやっていくべき部分」と説明した。長丁場のシーズンは「貧打&拙守」で苦戦を強いられた。チーム総得点538点は両リーグ最少。チーム102失策も12球団ワーストだ。指揮官は危機感を募らせた。

「一番エラーしたんだから。それはやるべき部分。ボンボン本塁打で点を取れるチームじゃない。ワンプレーが、より大きくなってくる。『エラーしないように』というプレーは一番、面白くないし、一番、成長ない。チャレンジしにいってのエラーはうまくなる」

秋の鍛錬期は、全員でつないで接戦をしのぐ野球を磨くつもりだ。優勝した巨人には今年の公式戦で10勝15敗。一丸になって難敵打破を狙う。【酒井俊作】

▽阪神梅野(選手会長として逆転Aクラス入りの今季を振り返り)「良い経験ができました。来年もこの気持ちを忘れずに頑張りたい」

▽阪神糸原(主将として)「CSの経験を生かして。悔しい思いをしたので、また来年頑張ります」