日本ハム中田翔内野手(30)が20日、チームメートの石川亮捕手(24)とともに応援大使を務める上砂川町を訪問した。

トークショーの中で、今年8月9日に第3子の男児が生まれていたことをファンへ報告。「野球(8=や、9=きゅう)の日」に誕生した愛息の存在を発奮材料に、13年目の来季こそ、4年ぶりのリーグ制覇へチームをけん引する。

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父親の顔になった。中田が応援大使として訪問した上砂川町でのトークショーでファンを前に口にした。「8月9日、野球の日に男の子が生まれました」と第3子誕生を報告した。「男の子ですからね。ちょっと違った気持ちで。すごくかわいいです」と思わず目尻を下げた。

野球人として、8月9日という日を特別に感じている。「なにか縁があるのかなと思う。ましてや初めての男の子だし」。実は大きなシナリオを思い描いていた。「野球の日に生まれた男の子だからこそ、男としてヒーローインタビューで、報告したいなと思っていたんですけど、見事にヒーローになることがなくて…」。台本通りとはいかなかったが、この日、集まった町民からは拍手喝采。「こういう形になってしまったけど、僕からしたらすごくうれしいこと。自分の口から言えたのは良かった」と話した。

学校訪問でも、児童からの質問に真っすぐな目で答えた。「野球は何歳までやりたいですか」と問われ「3人目の子どもに僕が野球をやっているということ、プロ野球選手なんだというのを見せてあげたい。それまではなんとか、はいつくばってでも頑張ろうかと思っている」。子どもたちとの交流会では、ラグビーW杯でニュージーランド代表が試合前に披露した民族舞踊「ハカ」を一緒になって踊った。「新鮮だったし、うれしく思う」とパワーをもらった。

町民を前に目標の数字も公言した。「シーズンを通して40本打ったことがないので、最低でも40本」。シーズン自己最多本塁打数は15年に記録した30本。今季も24本にとどまっている。「(広い本拠地の)札幌ドームで打てたらまたその分価値もあると思うし、札幌ドームで40本打ちたい」。父親として、チームを支える主砲として来季グラウンドで存在感を示す。【山崎純一】

○…石川亮が先輩中田に勝利した。トークショー内で実施されたストラックアウト対決に参加。同点となり、勝利をかけて勝負した中田との大一番にわずか1球で的を当て抜き、勝負強さを見せつけた。トークショーの最後には「優勝パレードを一緒に楽しみたい。その一員になれるように来年頑張りたい」と意気込んだ。

◆8月9日=野球の日 スポーツ用品メーカー・ミズノの直営店エスポートミズノが、公募した「スポーツ記念日」の1つとして94年に制定した。日本記念日協会により認定、登録された。

<中田の応援大使訪問地>

◆13年=網走市 谷口と訪れた名所の博物館網走監獄では、興味津々で職員に質問攻め。オホーツク流氷館なども回った。

◆14年=鹿追町 杉谷と神田日勝記念美術館などを訪れ、鹿追そばの試食も行った。

◆15年=津別町 大嶋と木材工芸館、石川牧場などを訪問した。

◆16年=剣淵町 1人で絵本の館などを訪問。トークショーでは、同年22本塁打の大谷に「(野手出場90試合で)ふざけんな、と思う」と爆笑を誘った。

◆17年=東神楽町 白村と小学校などを訪れた。同年ドラフト1位清宮の話題に触れ「性格がよさそう、杉谷と違って」と周囲を笑わせた。

◆18年=平取町 井口と義経神社で参拝し、自身の名前が刻まれた木製のお守りを受け取った。児童の要望で「ぞうさん」を熱唱した井口に「60点くらい」と採点した。