燕の若き主砲が主軸としての決意を示した。ヤクルト村上宗隆内野手(19)が16日、都内の球団事務所で契約交渉に臨み、4500万円でサイン。

今季800万円から約5・6倍の大幅アップで、高卒3年目シーズンでは球団史上最高額で更改した。来季の目標には「3割30本100打点」を掲げ、初めて具体的な数字を公言。1本塁打ごとに、地震で被災した地元熊本城の復旧支援金を寄付することも発表した。

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自ら、勢いよく切り出した。「目標を、言いたいと思います!」。村上は契約更改後の会見を終え、囲み取材の最中に宣言した。

村上 来年は、(打率)3割30本100打点を達成できるように。エラーは1つでも多く減らせるように、頑張ります。

今季打率は2割3分1厘。3割という高い壁をあえて公言し、自分にプレッシャーをかけた。今シーズンは高卒2年目以内で歴代最多タイの36本塁打、同最多の96打点。チームで唯一、全試合に出場し新人王に輝いた。「来年は、本当に大切なシーズンになる。より大きな目標を達成したい思いがあった。(公言することで)より一層気を引き締めたい」。個人の目標数字を発表したのは、さらなる飛躍への覚悟でもあった。

バレンティンの退団が決まり、来季は4番を任される可能性が十分にある。今季はチームで2番目に多い25試合で4番を務めた。一方で、184三振は日本人選手最多記録を更新。打撃向上に向け、シーズン中からフォームの微調整を続けた。雄平やバレンティンのバットを借りて打席に入ったり、球宴で出会ったオリックス吉田正にもバットをもらった。打撃練習の動画も欠かさずチェック。速球にてこずると、打撃マシンに近づいて打った。カーブに空振りすることが増えると、フリー打撃でカーブを多投してもらった。課題と向き合い、1つずつ壁を乗り越え数字につなげた。大幅アップした年俸は「貯金と、野球に全霊を尽くせるようにケアとかに充てたい」とうなずいた。

昨オフに続き、首位打者3度の青木とともに米ロサンゼルスで自主トレに臨む。「3割30本100打点」は、18年に巨人岡本が史上最年少の22歳シーズンでマーク。村上が20歳で迎える来季達成すれば、記録更新となる。「結果にこだわってやっていく。今年1軍を経験して感じた課題を、1つ1つつぶしていく」。自らに課した高い壁を乗り越え、“燕のゴジラ”は進化する。【保坂恭子】