4年目を迎える楽天石原彪捕手(21)が1軍争いに食らいつく。2軍の練習試合に「8番捕手」で先発出場。適時打を含むマルチ安打をマークした。

理想的な適時打を放った。7回1死二、三塁。ヤクルト2番手鈴木の内角ツーシームをコンパクトに振り抜いた。打球は鋭く投手の足元を抜けて中前適時打に。「今江コーチとボールに対して、投手の足元を狙ってしっかり振っていく練習をしている。(適時打は)自分の中で結構良かった」。育成コーチと取り組んでいる成果を実戦で発揮し、手応えを感じた。5回の第2打席は、先発スアレスの直球を引っ張った。三遊間を抜けそうな打球だったが、遊撃手・広岡が好捕。それでも172センチ、96キロの巨体を揺らしながら、全力疾走で一塁ベースを駆け抜け、内野安打をもぎ取った。

昨季1軍では4試合の出場にとどまった。ベテラン嶋がヤクルトに移籍。ベンチ争いは激化し、太田を筆頭に力のある若手捕手が台頭する。21歳の石原もレースから取り残されるわけにはいかない。「(1軍へ)いつでも行ける準備をしている」と言葉に力を込めたように、地道にアピールを続けていく。【佐藤究】