4年目の西武田村伊知郎投手が“捨てる力”で手を打つ。開幕延期で自主練習が続く中、1冊の本を手に取った。プロ棋士で永世7冠の羽生善治の著書「捨てる力」。
何手先も読みながら、それまで考えたほとんどの手を捨て、最善の1手を選ぶ。捨てる勇気を持ち、過去のアイデアや経験を手放すという。完読した右腕は「僕は知識でも何でも足してしまうところがある。すごく胸に響きました」と共感した。
過去の知識や経験にとらわれることなく整理することで、自然とやるべき1手が見えてくる。「捨てることで思考をシンプルにしていく意識」。オフはマリナーズ菊池の米国での自主トレに同行。昨季は6試合の登板にとどまるなど、中継ぎの一角として、シーズン通して1軍定着できていないことに、危機感があったから志願した。新たな挑戦を生かすためにも、捨てる勇気を持って過去の経験や知識を整理する。
思考だけでなく部屋の片付けも敢行。「思考の状態に似ているんです。部屋をきれいにすれば、頭の中もすっきりする」。3月14日のヤクルトとのオープン戦では9回のマウンドに上がり、無安打無失点。1点のリードを守りきってセーブをマークした。お預けとなった開幕1軍をたぐり寄せる。【栗田成芳】



