巨人は3日、都内の球団事務所で会見を行い、坂本勇人内野手(31)、大城卓三捕手(27)がPCR検査を受け、新型コロナウイルスの陽性判定が出たことを発表した。東京ドームで予定されていた西武との練習試合は中止となり、濃厚接触者ら計26人に同検査を実施した。ただ2選手とも自覚症状はなく、正常値からわずかにはずれた「微陽性」のため、再度のPCR検査で陰性が確認されれば早期復帰が可能。6月19日の開幕戦に間に合う可能性がある。

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巨人は1~3軍の選手、監督らスタッフ計218人に対して、5月29~31日に新型コロナウイルス感染歴を調べる抗体検査を実施した。その中で感染後に回復したことを示すIgG抗体が確認されたのは坂本、大城を含む計4人だった。西武との練習試合を終えた2日夕方、慎重を期すために4人がPCR検査を受け、2人の陽性が確認された。

巨人の主力選手が感染したという衝撃的なニュースだが、検査結果は正常値からわずかにはずれた「微陽性」。2人は現在都内の病院に入院中で、4日以降毎日PCR検査を受け、陰性が確認され次第、専門医と相談の上で早期にチームに合流することが可能になる。発熱や自覚症状がないため、陰性確認後2週間の隔離期間を設ける必要はなく、19日の開幕戦にも間に合う見込みだ。

2人は3月下旬以降、体調面の問題はなく、味覚、嗅覚の異常もなかった。直近2週間では、坂本は5月29日に友人と昼食に出た以外外食はなく、大城も5月28日にチームメート2名と2時間夕食を取った以外、外出はなかった。ともに今回の感染とは無関係とみられる。2日の西武との練習試合では、坂本は「4番遊撃」、大城は「7番捕手」で先発。坂本は犠飛を含む2打点、大城はエース菅野を好リードして存在感を発揮した。2人は球団を通じて「症状が全くない時に、陽性の結果で大変驚きました。いったんチームから離脱することになって、迷惑を掛けてとても残念です。早く合流して開幕に備えていきたいと思っています」とコメントした。

選手たちには試合前の練習中に中止が伝えられ、各選手自宅に帰宅した。チームは前日の動きについて選手、スタッフらに聞き取り調査を行い「1メートル以内で15分以上会話した」などの濃厚接触者は現在9人と認識。濃厚接触とは認められないが、接触があった他の17人を含めた計26人に対して、この日の夕方にPCR検査を実施した。4日には他の1軍選手、監督、コーチ、スタッフなど全員がPCR検査を受ける予定だ。

他選手の検査結果次第にはなるが、現時点では5日以降の練習試合は予定通り行う見込み。今村球団社長は「6月19日の開幕に向けて、全選手健康な形で、万全を期して開幕を迎えたいと思っております」と決意を込めた。

◆坂本勇人(さかもと・はやと)1988年(昭63)12月14日、兵庫県生まれ。光星学院で06年センバツ出場。同年高校生ドラフト1巡目で巨人入団。2年目の08年からレギュラーをつかみ、12年最多安打、16年首位打者、最高出塁率。17年に右打者では史上最年少で通算1500安打達成。19年MVP。ベストナイン5度、ゴールデングラブ賞3度。今季推定年俸5億円。186センチ、85キロ。右投げ右打ち。

◆大城卓三(おおしろ・たくみ)1993年(平5)2月11日、沖縄県生まれ。東海大相模で甲子園2度出場し、10年夏準V。東海大では14年全日本大学野球選手権で優勝。NTT西日本を経て、17年ドラフト3位で巨人入団。昨年まで通算192試合、10本塁打、47打点、打率2割6分5厘。今季推定年俸3500万円。187センチ、90キロ。右投げ左打ち。