虎のリリーフ陣が厚みを増しそうだ。昨年10月に左肘の手術を受けた阪神島本浩也投手(27)と、右肘痛からの再起を目指す阪神桑原謙太朗投手(34)がともに2軍の練習試合で実戦復帰した。

島本は3回から3番手で登板し、広島先頭の9番中神を141キロ直球で遊ゴロ。1番羽月はスライダーで中飛、2番大盛にも内角から切り込むスライダーで見逃し三振に料理した。「無事投げられたのが一番よかった」。19年のCSファイナルステージ巨人戦(東京ドーム)以来となる実戦で1回無失点。昨季はチーム、自己ともに最多の63試合に登板し防御率1・67と安定感抜群でブルペンを支えた。「準備はしっかりやって試合で投げる。体自体は問題ない」。育成出身の10年目左腕が、大きな1歩を踏み出した。

13年目の桑原も圧巻の投球を披露した。先発して1回は羽月を「伝家の宝刀」スライダーで空振り三振。大盛に中前打を許したが後続の宇草、林を再びスライダーでバットに空を切らせた。こちらは19年4月19日の巨人戦(甲子園)以来、414日ぶりの実戦登板で1回無失点。「三振3つより3人で終われなかった。でも投げられたことが一番の収穫」。17年の最優秀中継ぎ賞右腕は冷静に振り返った。

平田2軍監督は桑原について「やっぱり貫禄だな。球のキレ、スピードといい申し分ないわ。さすがに違いを見せてくれたな」とうなずき、島本にも「スピードはもっと出る」と太鼓判を押した。歴戦のリリーバーたちがマウンドから復活ののろしを上げた。【只松憲】

▽阪神矢野監督(甲子園入りする前に、鳴尾浜の2軍練習試合を視察)「クワ(桑原)は、この前シート打撃を見に行った時よりもまた良くなっていたかな。島本も(伊藤)和雄も、しっかり投げられている。こっち(1軍)に呼べる近くまでは来ているのかなと思うけど、そんなに焦らすことはないし、もうちょっと見てから。(ただ)時間がかかるという状態でないということは確認できた。頭の中にその3人のことを入れながら、チーム編成していこうかなと思っています」