新人開幕マスクにまた1歩近づいた。ロッテのドラフト2位佐藤都志也捕手(22)が、楽天戦で連日の本塁打でアピールした。5回1死二塁、福井の抜けたフォークを逃さず、低い弾道で右翼席中段へ。2日で3発。巨人阿部2軍監督にあこがれる左打ちの「打てる捕手」はしかし、至って冷静だった。

「好調から不調になるのはすぐだと思うので、徹底して見直していく」

高い意識も当然だ。開幕投手に内定の石川とバッテリーを組んだ。「開幕戦のつもりで」と何度もシミュレーションした。「内角を多めに」との意思統一で、いざ試合へ。思い通りには進まない。「危ない」と反省する配球もあった。新人でも遠慮はない。感じたことは全て石川に伝えた。

1月の入寮時には、外野用グラブも持参した。今は捕手として心を固め、活動自粛の2カ月間もパ・リーグの研究に励んだ。井口監督も「パートナーを増やして、どんどん争いに食い込んでほしい」と捕手としての資質に期待を寄せる。

腰痛でリハビリ中の正捕手田村が、19日に万全で間に合うかは微妙なところだ。指揮官はついに「(佐藤の)開幕スタメンの可能性も十分あると思う」とはっきり口にした。清水バッテリーコーチ以来、23年ぶりの新人開幕マスクなるか。

「いいときこそ、基本に返りたい」

佐藤はやっぱり浮かれない。7日の楽天戦も英才教育。これまた開幕カードに投げる美馬と、バッテリーを組む。【金子真仁】