DeNA石田健大投手が、巧みな投球術で日本ハムの若武者を手玉に取った。先発して3回2安打無失点。ストライク先行の安定感ある投球で存在感を示した。テンポ、リズムともに申し分ない40球の快投に「カウント球も決め球も低めに集められたので、ゴロアウトを多く取れた」。最速147キロの直球を軸に全球種を織り交ぜた。

ゾーンを目いっぱい使った。1回2死二塁で打席に清宮を迎え入れた。直球、スライダーを外角に投げ込み、カウント1-1。「しっかりと腕を振って」内角へと攻め込む。膝元へのチェンジアップ、スライダーを2球続け、フルカウントから再びチェンジアップを低めに落とし、空振り三振に仕留めた。「ゾーン内で手を出してくれるボールを選んだ」と明確な意図に沿って組み立てた。3回1死からソトの失策で出塁させた中島をけん制で刺し、流れを渡さなかった。

開幕後の持ち場は先発、中継ぎの両にらみでスタンバイする。ラミレス監督は「先発でも十分やっていけるというのは分かっている」とした上で「リリーフでもいいクオリティーを出せる。ベストな使い方を考えていきたい」とした。右肘に不安を抱える上茶谷が2軍調整となり、開幕は絶望的。開幕投手の今永、浜口、平良はローテ入り確定。残り枠は石田に加え、ピープルズ、井納らが候補に挙がる。多様性が高い石田が投手陣に幅を与える。【為田聡史】