広島ホセ・ピレラ外野手(30)が、オリックス戦に2試合連続で起用された1番でともに安打を記録した。5回2死二、三塁で2点適時二塁打。前日6日に初めて対外試合で1番起用され、来日後7つめの打順となった。離脱者や調子が上がらない選手がいる打線において、ユーティリティー性を発揮する助っ人の存在が打順の幅を広げている。

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力強い真っすぐにも力負けしない。ピレラは2打席抑えられていた山本の直球をはじき返した。5回に1点を返し、なお2死二、三塁。2ボールとなり、直球一本に絞った。侍ジャパンの若き右腕の151キロをたたいて、ライナーで右中間を破った。2戦連続安打となる2点適時二塁打となった。

「バッティングカウントだったので狙っていた。ゾーンの中で自分が打てる球を狙っていた。走者をかえすことを最優先に考えていた。今日はうまくアジャストできたと思います」

2試合続けて1番を任された。1回は空振り三振、3回は遊ゴロ。150キロ超の速球を軸にした投球に手を焼くも、3度目の対戦で反応してみせた。3月6日西武戦での右手首付近への死球でしばらく別メニュー調整が続いたが、開幕が遅れたことでコンディションは万全。調子も実戦打席を重ねて上向いてきた。

巧打だけでなく、ユーティリティー性が大きな武器だ。打順は対外試合で1番から7番を任された。1番については「マイナーで何度も経験しているし、メジャーでも打ったことがある」と胸を張る。佐々岡監督も「打撃コーチも1番も面白いかなと。決定ではないけど、いろいろ試しながら」と他の選手の状態を見ながら打順を決めていく考えだ。

守備でもユーティリティー性を発揮する。前日は三塁で先発し、この日は試合前にメヒアのファーストミットを借りて一塁を練習した後、左翼で先発。「ポジションによって守る感覚は違うが、自分はチームの指示を最優先に考えている」。前日の試合前練習では中堅で打球捕を行い、米国時代は二塁の経験もある。攻守に変幻自在の助っ人は、広島の可能性を広げる存在となる。【前原淳】