聖地デビュー星! 阪神ドラフト1位の西純矢投手(18)が24日、本拠地甲子園で公式戦デビューを果たし、3回無失点でプロ初勝利を挙げた。

ウエスタン・リーグ、オリックス戦に4回から2番手で登板。2年ぶりとなった聖地のマウンドで、帽子を飛ばし、腕を振った。

「試合前は緊張していたんですが、試合に入ってからは持ち味の強気なピッチングができました」。4回の初球だ。先頭太田にいきなりこの日最速の150キロを計測。鋭いスライダーで空振り三振を奪うと、続く4番モヤも内角高め150キロ直球で連続空振り三振。5回はわずか8球で片付けた。試練は6回。連打で1死二、三塁のピンチを背負った。打者太田に対して、前の打席と攻め方を変えて、落差のあるカーブで捕邪飛。モヤには再び直球勝負で押し込み、左飛に打ち取った。持ち味の勝負度胸を発揮し、3三振を奪う快投だった。

18年夏に創志学園(岡山)の2年生エースとして、甲子園を沸かせた。3年生では春夏ともに出場できず、悔しい思いをした。「懐かしい。またここで投げることができた。本当に自分の中ではすごく特別な球場。そのマウンドでしっかり投げることができて良かったです」。6回に打線が決勝点を奪い、プロ初勝利が転がりこんだ。ロッテのドラフト1位佐々木朗らライバルと呼ばれた「高校四天王」の中では、1番星となった。

高卒右腕に聖地デビューの舞台を用意した平田2軍監督は「落ち着いてたね。やっぱり甲子園が合うんじゃないかな。まだまだいける。小さくまとまらず、豪快なピッチングを望みます」と投げっぷりを評価。次戦は先発デビューする方向で、さらにイニング数を伸ばす。西純は「しっかりと次につなげていきたいと思います」と落ち着いた表情を見せた。前日23日はドラフト2位井上が左中間フェンス直撃の二塁打で甲子園デビュー。高卒ルーキーたちの連日の活躍に夢が膨らむ。【奥田隼人】