「都立の星」がオリックスの窮地を救った。雪谷高出身の6年目鈴木優投手(23)が西武打線を5回無安打7奪三振に抑える快投を見せ、プロ初勝利を挙げた。負ければ、勝率1割を切るピンチで、チームの連敗を「7」で止めた。価値ある1勝で、高卒の都立高出身者ではプロ野球史上初勝利の快挙となった。

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◆都立出身の高卒投手 雪谷から入団したオリックス鈴木が初勝利。都立高から直接プロ入りした投手が勝ったのは初めて。過去の主な投手では日本橋高卒業後、軟式でプレーしてから54年に東映入りした土橋正幸が通算162勝を挙げている。ドラフト制後、大学や社会人を経由した投手では井手峻(新宿-東大-中日、67年1勝)渡辺孝博(八王子工-東海大-日立製作所-ヤクルト、72~76年に24勝)、現役のソフトバンク石川柊太(総合工科-創価大、22勝)日本ハム秋吉亮(足立新田-中央学院大-パナソニック-ヤクルト、19勝)ロッテ佐々木千隼(日野-桜美林大、6勝)がいる。学制改革以前では都立化学工を卒業後に徴兵され、46年にセネタースへ入団した黒尾重明が通算99勝を挙げた例がある。