9回、2点差まで詰め寄られたヤクルトを鼓舞したのは、キャプテン青木宣親外野手の声だった。

8回からベンチに退いていたが、その声が2点差での勝利を引き寄せた。

2-2で迎えた3回2死一塁では、カウント2-1からDeNA先発中川の高め148キロ直球をとらえ、バックスクリーン直撃の勝ち越し2号2ランを放った。

6回には、無死一塁の場面でDeNAエスコバーから左前打を放ち、チャンスを広げた。さらに7回2死一、三塁、DeNA国吉の初球にランエンドヒットで、二ゴロの間に1点を挙げた。

キャプテンは、プレーだけでなく声でも存在感を発揮する。9回、守護神石山が3連打を許し、4点リードが2点に縮まった。緊張感の高まるナインに、ベンチから青木の大きな声が届く。「大丈夫!大丈夫!」。なんとか逃げ切り、全員で歓喜の瞬間を迎えた。青木は「もしかしたら、ということころまで追い詰められていたので、願う気持ちでした」と振り返った。

高津監督は「自分の立場、意味を理解した、いい声を出してくれる。最後(9回)も呪文のようにずっと「大丈夫、大丈夫」と言っていた。勇気づけられたり、元気が出たり、もう1回やり直そうと気持ちの入れ替えができる声を出してくれるキャプテン青木の存在は、すごくベンチでも大きいなと思います」と明かした。

試合後、青木は次戦を見据えていた。開幕から5カード続いた本拠地神宮での連戦も、5日DeNA戦が最後。勝てば勝率5割復帰だ。「(7日から)ビジターでの試合になるので、明日勝って終わりたいと思います」と力強かった。