巨人阿部慎之助2軍監督(41)が、本拠地での阪神戦でベンチに入った。

元木大介1軍ヘッドコーチ(48)が腹痛のため都内病院で検査を受け、虫垂炎と診断され手術、入院。不在の間、同代行を務めることになった。

午後2時58分。巨人から報道陣へ、一斉メールが届いた。この日、元木ヘッドが腹痛のため病院で診察を受け、虫垂炎と診断された。同コーチが不在の間、阿部2軍監督が1軍ヘッド代行を務め、2軍監督代行は村田修一2軍野手総合コーチ(39)が務める。その旨が広報部から発表された。

そこから約15分後のことだった。午後3時15分過ぎ。真っ黒に日焼けした背番号「80」が、東京ドームの一塁側ベンチから姿を現した。昼の時点ではイースタン・リーグのDeNA戦のため、神奈川・平塚にいた阿部ヘッド代行。首脳陣とあいさつを交わし、1軍本隊に加わった。

試合前の円陣では「今日出る人、普段出てなくてスタートの人は、チャンスだと思って、こういう時に印象を付けておく。だからコンコンって打ったら『明日使おう』となるから。そう思って、チャンスだと思って頑張ってくれ」と鼓舞した。

ゲキに応えたのは、こんがりと焼けた「阿部チルドレン」。13日に1軍に昇格した田中俊が、2回に右翼へ先制の1号ソロ。「ファームにいる時に阿部2軍監督から『小さくなるな、本塁打を狙うぐらい思い切ってスイングしろ』と指導していただきました。思い切ってスイングした結果、最高の結果になってくれてうれしいです」。今季10試合目でマークした初安打が本塁打。4回には右翼線への二塁打、5回にも左前へ適時打を放った。

昇格組が続いた。立岡は12日に1軍に合流。4回に中前適時打で今季初安打をマークすると、波に乗った。5回には右翼スタンドへ1号3ラン。坂本が軽い体調不良、岡本は軽い腰痛のため、ともに15日の阪神戦で途中交代。この日の先発を外れた。丸が90代4番を務めるなど、阪神青柳の前にスタメンに全員左打者(若林は両打ち)を並べた中、2軍からやって来た男たちが、前夜に優勝マジック「38」を点灯させたチームをもり立て、マジックを3つ減らした。【栗田尚樹】