新人王を狙う広島のドラフト1位森下暢仁投手(23)が大学時代の思い出の地に凱旋(がいせん)する。先発予定だった17日中日戦(マツダスタジアム)が天候不良のため、中止。次戦はスライドせずに、19日ヤクルト戦(神宮)に先発する見込みだ。明大時代に躍動した球場で、プロ初登板。慣れ親しんだ地で7勝目を目指す。

   ◇   ◇   ◇

曇り空の下、森下は髪をなびかせ、さっそうとグラウンドを駆け抜けた。先発予定だった中日戦が中止となり、この日はマツダスタジアムで、キャッチボール、ブルペン投球、ダッシュで調整した。

次戦は中8日で19日ヤクルト戦に回る模様。明大時代に東京6大学リーグで通算15勝を挙げ、主将、エースとして9回1失点、10奪三振の完投で大学日本一を達成した神宮球場で、プロ初登板となる。森下は「2019年春のリーグ戦と全日本選手権で優勝したことが思い出に残っています」と振り返った。

スライド登板はせず、当初の予定通り18日ヤクルト戦は床田が先発する。佐々岡監督は「(東京に)移動しての試合だから、決まっていた通りにいこうと」と説明した。順当にいけば森下は23日巨人戦と、29日からの同3連戦で2週連続首位相手に先発することが予想されていた。指揮官は「巨人戦というよりも目の前の1試合1試合を取っていく。とにかく我々は借金を減らしていく中で、相手どうこうではない。借金を減らしてゼロにするのが、ひとまずの目標」と言葉に力を込めた。

森下はルーキーながらチームトップの6勝を挙げ、自身4連勝中と波に乗る。2敗目を喫した7月31日巨人戦以来、約1カ月半の間、先発した試合は負けていない。「自分のできることをしっかりやるだけです。与えられた試合でしっかり試合を作れるように頑張ります」。広島の新人の連勝記録は86年長冨浩志の8連勝が最長だが、5連勝となれば、同じ背番号18を背負った佐々岡監督の新人時代の記録に並ぶことになる。

チームは現在2連勝中で、2桁あった借金も「8」まで戻した。正念場の9連戦がこの日の雨天中止で解消された。指揮官は「まずは今日を恵みの雨と捉えて、明日からまたしっかりとやるということです」と引き締めた。上位浮上へ、勝ち頭の森下を中心に、連勝ロードを突き進む。【古財稜明】